先週は阪神で
桜花賞トライアル・
チューリップ賞、中山で
皐月賞トライアル・
弥生賞が行われ、2歳時の勢力図が不変であることが明らかになった。まず
チューリップ賞は阪神JF1、2、3着馬が上位独占。2着
リリーノーブルと3着
マウレアの位置こそ入れ替わったが、2歳女王
ラッキーライラックが“表彰台”の最上段を堅守したことは、昨年暮れのGIの重みをストレートに伝えていた。
一方の
弥生賞も、制したのはGI
朝日杯FS優勝馬
ダノンプレミアム。3戦3勝
ワグネリアンが2着、3着にGI
ホープフルS2着
ジャンダルム。こちらも新興の台頭を許さない現有力勢の厚みを照らす決着だったと言えようか。とはいえ牡牝ともに残す
トライアルはあとふたつ。より白熱したクラシックを迎えるためにも、新戦力の出現を期待したいものである。
その意味でも注目は今週日曜(11日)中山で行われるオープン・
アネモネS(芝外1600メートル=2着まで優先出走権)。GII
フィリーズレビューとのダブル登録もあるが、10頭立てだった
チューリップ賞とは対照的なエントリー数=20頭。
桜花賞最終切符への渇望が見て取れる。もっとも本番でも存在感を示す走りを期待するなら当然、底を見せていない組。まず当方が注目する一頭は、担当の滝口政司厩務員が「何としても
桜花賞へ」とデビュー前から気合を入れた
レッドイリーゼ。
「
春菜賞(3着)は前を追いかけた分、脚がたまらなかったせいなのかなぁ。結果は案外だったけど、持っているものはあんなもんじゃない。中山マイルのデビュー戦は大外をブン回して最速上がり(35秒2)で他馬を圧倒したからね。タメれば確実に切れるはずだし、結果を出して
マウレアと同じ舞台に立ちたい」と同厩務員は手塚厩舎2頭出しへ意欲満々だ。
そして、もう一頭は
アルテミスS(8着)以来となる
ダノングレース。「ウチ(国枝厩舎)の牝馬は
アーモンドアイが大将だけど、これと
ダイワメモリーは走ってくると思うよ。まだ体は細いけど、乗ると抜群だしセンスもいい。前走は出遅れて外を回る雑な競馬になったけど、小回りの中山なら一瞬の脚が生きるはず」(佐藤勝美助手)と、同じく
桜花賞2頭出しを狙う。
アネモネSは延べ7頭を送り出した手塚厩舎が<1303>、国枝厩舎は<1010>。ともにゲンのいい舞台であり、注目して損はなかろう。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ