驚異の回復力で、いよいよ大ベテランが帰ってくる。1月13日の中京競馬で落馬負傷し、左多発肋骨(ろっこつ)骨折、左鎖骨骨折で戦線離脱していた
熊沢重文騎手(50)=栗東・フリー=が、24日中山8R・
ペガサスジャンプSの
クランモンタナで実戦復帰する。既に調教騎乗は再開しており、「大丈夫。痛いところもなくなった。人間は放牧明けでフレッシュだよ」と笑わせ、自らの復活を宣言した。
今回の落馬で初めての内臓損傷を経験。「脾臓(ひぞう)が3つ、4つに割れてね。けど、完治してくれた。とにかくケガ前の体に戻したかったから」と胸をなで下ろす。療養中に節目の50歳の誕生日を迎えたが、「この年齢までやるのが珍しい世界だけど、できるというのを示すには結果を出さないと。ケガはしてはいけないけど、怖がってばかりでもダメ」と闘志は健在だ。
「みんな年は取るもの。同世代の人間がいなくなっていくさみしさもあるけど、次のステージで頑張ってくれているしね。自分は乗れるところまでやるしかないと思っている。とことんまで行きますわ」と話す瞳がまぶしかった。この輝きが続く限り、これからも活躍してくれるはずだ。(デイリースポーツ・大西修平)
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