トライアルの
スプリングS(GII)に勝って
皐月賞(GI・中山芝2000m)に臨む
ステルヴィオ(牡3・美浦・
木村哲也)が、ウッドチップコースで併せ馬で追い切りを消化。追い切り後に、管理する木村調教師の共同記者会見が行われた。
(最終追い切りでチェックしたかった点は?)
「いつも通りに走れるのか走れないのかというところです。ちょっと伝わりづらいんですけど」
(いつも通りで?)
「いつも通りだったと思います」
(ハナ差の勝利だった
スプリングS後の馬の様子は?)
「厳しい稽古を積んで厳しい競馬をしましたので、その後どうなるのだろうとは思っていたのですが、日ごとに活力が出てきたかなという感じでした」
(少し疲れはあった?)
「終わってみたらそうでもなかったという感じです」
(そこから今週までの調整過程は青写真通り?)
「生き物なので毎日表情も気分も違いますし、明日の調教をどうしたらいいかと考えても明日になってみないとわからないだろうと。そういうポリシーというか、考えでやっていますので、これは青写真になるのかどうか半信半疑なのですが、健康に楽しく来ているような気がしています」
(馬には大舞台に向かっていけそうな雰囲気がある?)
「元気はあるのではないかなと思います」
(
ダノンプレミアムが回避したが?)
「
ダノンプレミアムにトラブルがあったというニュースを初めて聞いた時には、私自身すごいショックでした。とても大変なことだと思いましたし、逆もあり得るわけで、先方のオーナー、先生はじめ厩舎関係者の皆様の心中を察すると、正直にチャンスが来たとかそういう心境にはなれなかったですし、今もそれは変わっていないですね」
(そのラ
イバルのためにもここはベストパフォーマンスをという心境?)
「僕はあの馬(
ダノンプレミアム)のことを
リスペクトしていますし、歴史に残るような素晴らしい馬なのではないかなと思っています。軽々しく言えないですけど、その名を汚さないためにも変な競馬はできないと思いますよね」
(初めての2000mになるが?)
「正直わからないですね。よく聞かれますし、種馬のことも含めてどうなのかというのは大きいのでしょうけど、あまり不安はないと思っています。1800mよりは2000mの方が
ステルヴィオにとっては楽なのではないかなとは思っているのですけどね」
(具体的にどのあたりが楽に?)
「
スプリングSの時は、わりと良いスタートが切れて最初のコーナーに入る時からリズムに乗れていたのですけど、それが2回連続してできるという自信が僕自身ないので、マイナスな方向に行った時にリカバリーできるのは2000mの方かなと、そう思っています」
(
皐月賞の走りを見てその先を考える?)
「言えればいいのですけど、正直そんなにキャリアがないので、その先がこうなっていくはずだというのは、さっきの言葉じゃないですけど青写真を描けるほど経験がないというか…、それは辛いところなんですけど。
逆に言うと新馬だろうが未勝利だろうがGIだろうが、どの馬に関してもそうなのですが、その都度その都度、その馬の良い状態でレースに臨めるように普段からしているので、それは今回も変わらないです。その先というよりも、今週の日曜日にトップコンディションで
ステルヴィオが臨むにはどうしたらいいかということを逆算して仕事をしたいなと思っています」
(先入観なく自然体で?)
「自然体でできればいいんですけどね(笑)」
(若干の緊張も?)
「やっぱりしんどいですよ。しんどくなっているんでしょう、多分」
(レースは
ルメール騎手に託す感じで?)
「いつもどのレースでもレース前に話はするんですけど、基本的にはどういうイメージかを聞いて、こういうイメージですという答えが返ってきて、それに対してお願いしますと言っています。今回も変わらずそうなると思います」
(新種牡馬
ロードカナロア産駒、先週の
アーモンドアイが
桜花賞に勝った勢いもある?)
「すごいですよね。やっぱり強いなと思っていますし、もしかしたらこれから日本の生産界を背負っていく種馬になる可能性も当然出てきているわけなので、そのお父さんの名も汚してはいけないだろうとは思います」
(この新種牡馬の序盤の代表産駒としての活躍も期待?)
「はい、頑張ります」
(取材・文:佐々木祥恵)