■ワグネリアンを管理する友道康夫調教師

――弥生賞を振り返ってください。
友道　ワグネリアンは自分の競馬をしたと思うんですが、もともとエンジンのかかりが遅い馬なので中山の小回りで勝った馬との差が出たと思います。

――それまでは3戦3勝でした。
友道　3戦とも違う競馬場で走って条件も全然違う内容だったんですが、3戦とも最後は凄い脚を見せてくれました。能力はあるなと改めて思いました。

――いいところは末脚でしょうか？
友道　そうですね。最後はきっちり伸びてくれる末脚だと思います。

――調教ですが、まず先々週、先週について教えてください。
友道　先々週はちょっとまだ動きが重かったんですが、先週は福永騎手に乗っていただいて長めからしっかりやりました。前半は折り合いがつきましたし、追ってからはしっかり反応していました。先週の時点でも馬はある程度仕上がったと思っています。

――今週の追い切りはいかがでしたか？
友道　もう(ある程度仕上がっているので)やる必要はないので、息を整える程度でした。

――これまで最終追い切りは坂路というのがパターンでしたが、今朝はCWでした。その理由は？
友道　前回は坂路で軽めに乗ったんですが、ちょっと調教が軽かったかなという反省がありました。レース当日は元気が余っていたもので。今回は強度を強くするのではなく、長めからゆっくり乗ろうということでこうなりました。

――レース前、テンションは高いのでしょうか？
友道　前走は4走目でした。4回走ってジョッキーが乗るまではいちばんテンションが高かったかなと思っています。

――当日、馬房で風が吹く音がうるさかったという情報もありますが？
友道　まぁ、それは他も同じ条件でしょう。休み明けというのもあったでしょうし、そういう天候の条件もあったと思うんですけども競馬に行ったあとに福永騎手に聞いたところ「案外、4回走った中ではいちばん落ち着いていた」と言っていました。

――馬体重の変動はどのように見ていますか？
友道　前回と同じか若干増えて出るかな、と思ったのですが、やはり前回は土曜日に(中山に)着いたあと、そういった環境の変化もありましてカイバ食いが落ちたようです。その分の体重減だと思います。今回はすごく落ち着きもありますので、中山に到着してもしっかりとカイバは食べてくれると思います。

――状態はこれまでの中でいちばんいいと言っていいのでしょうか？
友道　そうですね。調教の動きもいいですし、走りだす前の落ち着きもあります。今が一番リラックスしている状態だと思います。本当にこの馬にとってはそのあたりが一番大きな課題なので、本当に今は状態がいいと思います。

――エンジンのかかりについての課題は克服できそうですか？
友道　エンジンのかかりはこの馬の持って生まれたものなので、すぐには解消できないと思います。けれども、1回中山を経験していますし、前回とは流れも違ってくると思いますので、その分競馬はしやすいと思います。

――今回の中山滞在での対策は？
友道　今回は運がよくうちのジュンヴァルロと一緒に行くんですが、もともと栗東でも隣の馬房に入っていて仲がいい馬なんです。その馬と一緒に中山へ行けるというのは、いいと思います。

――今回、多頭数になりますがそのあたりは？
友道　初めて多頭数を経験するのですが、そのあたりは福永騎手がうまく乗ってくれると思います。

――重馬場はいかがでしょうか？
友道　実際、2戦目でああいう馬場でも勝っています。栗東の荒れたCWでも時計が出ますし、多少渋っても大丈夫だと思います。

――最後に抱負を。
友道　今回はクラシック一冠目の皐月賞です。ここを勝って二冠目のダービーに胸を張っていきたいと思いますので応援よろしくお願いします。

(取材・文：花岡貴子)