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クリンチャー宮本師「長距離仕様の仕上げ。三浦くんでグッドレースを」/天皇賞・春共同会見

  • 2018年04月25日(水) 16時00分
クリンチャーを管理する宮本博調教師

――GI馬4頭を負かした前々走の京都記念を振り返ってください。
宮本 昨年の菊花賞のあと、大山ヒルズに放牧に出ました。本当は有馬記念も使いたかったんですが、今年に賭けようということでそうなりました。今年の1月4日に栗東にかえってきましたが、私の想像以上に馬がいい仕事をしてくれました。

 クリンチャーは不正駈歩(ふせいかけあし 注:前脚と後脚の手前が異なるキャンター)をする馬でまだまだ馬が緩かったんですよね。この馬は菊花賞まで不正駆歩で結果を出してきた馬なんですよ。それがこの1月4日に帰ってきてからは不正駈歩もしなくなりました。(京都記念は)どういったレースをするのか、と思っていましたが、自分の想像以上に馬が走ってくれました。

――その次の阪神大賞典はいかがでしたか?
宮本 さすがに(京都記念で)GI馬4頭に勝って阪神大賞典もという気持ちがありまして、馬にかなりの負荷をかけました。僕自身、反省点もあります。3着で本当にがっかりしました。それで天皇賞はやっぱり長距離の仕上げで行こうということになりました。馬主さんの理解もありまして、そのように調教させていただきました。

――その調教ですが、先週はCWで単走追いでした。
宮本 はい。1月4日に入厩して今回が3走目。パターン的には2週前、1週前はコースでやって、当週は山(坂路)でやる。菊花賞と同じパターンで行こうということになりました。先週はある程度やりました。そこである程度仕上げて、今朝三浦くんに乗ってもらいました。今朝は流すような追い切りだったんですけれど、三浦くん自身もまぁまぁの感覚を掴んでくれたみたいです。

――今朝の追い切りはいかがでしたか?
宮本 三浦くんも武さんと同じで「すごくズブいイメージがあった」と言っていたんですけれど、なんせこの馬、この1年間で別馬に変わってしまったんで。「やっぱり、すごい馬ですね」と言ってくれましたよ。

――具体的にはどのあたりが変わりましたか?
宮本 調教時計が普通の馬以上に出るようになりました。

――今回、ジョッキーが三浦騎手に決まるまでの経緯は?
宮本 日曜(京都)8レースで武さんが騎乗停止になって、“うーん。一体、どうするのかな”ということでオーナーと相談しました。わたしからは「オーナーが一番悔いのない乗り役さんを」と言いました。それで三浦くんになったという感じです。

――これまで三浦騎手は(宮本厩舎の馬に)何度か騎乗されています。今回はどのように乗りこなして欲しいですか?
宮本 これは作戦になるので、具体的なお話はここでは省略させていただきます。でも、三浦くんは好青年でこちらの話も十分よくわかってくれる人です。当日グッドレースをしますので、それで勘弁してください。

――当日までのお楽しみですね?
宮本 はい、お楽しみで。

――京都コースは3戦すべて連対しています。どのあたりが合うと思いますか?
宮本 たまたまだと思います。これからは関東圏に行っても走ってくれる馬だと思っています。

――京都は直線が平たんとか、ありますけども。
宮本 関係ないですね。クリンチャーは持って生まれたスタミナがありますので。

――秋には凱旋門賞への挑戦というプランもあります。
宮本 勝ってくれたら一番うれしいですけれど、とにかくいいレースをしたいですね。それで凱旋門賞へ行けたら最高だと思います。

――最後に抱負を。
宮本 クリンチャー、ここに来ていろいろバタバタとしましたけれども、100%の状態で出せるというのは、わたし自身胸を張って送り出せます。ファンの皆様、応援よろしくお願いいたします。

(取材・文:花岡貴子)

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