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M・デムーロを直撃 トーセンバジルはどれ使う?/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年04月27日(金) 18時00分
 一流のアスリートは道具へのこだわりも一流と言われる。マリナーズのイチローは角材1000本の中から選び抜かれた最高のバットを使用。「他人のバットを握ると、手に感覚が残るから、絶対に触らない」徹底ぶりらしい。

 競馬界では最強外国人ジョッキーのミルコ・デムーロがその筆頭格。武豊も「馬具代はミルコがチャンピオン」と舌を巻くほどで、特にムチへのこだわりは群を抜いているそうだ。本人を直撃すると、馬具への熱い思いをこう語ってくれた。

「ボクのムチは全部オーダーメードね。色もたくさん、硬さも重さも全部違う。その馬に合ったムチを使うんです」

 そう言ってスマホに眠る一枚の画像を見せてくれた。1本1万円という特注のムチがズラリ!

 すべてイタリアの馬具店から購入した“デムーロモデル”。赤、青、黄、黒など見た目もカラフルで、今風にいえば「インスタ映え」するコレクションだ。この他にも調教で使う英国製のムチもあり、“適材適所”で使い分けているという。

「ズブい馬は重くて硬いムチね。メス馬は柔らかいムチ。叩かなくても一生懸命、走る馬はしなやかなムチ。あと2、3歳の若い馬はムチに慣れてないので硬いと驚いて斜行しちゃう。だから音だけ鳴るムチね。逆に4、5歳馬は叩かれ慣れているから硬くて利くものを、ね」

 馬の性別や年齢、性格まで考慮して選んでいるとは驚きだ。

 昨年1月、JRAは動物愛護の観点から衝撃を吸収するパッド付きのムチの使用を義務化。長さの規定は77センチ未満だが、デムーロは「ボクは全部67センチ。それが一番ちょうどいい」。既製品の65センチのムチを手に取り、「この2センチが全然違うんです」と熱弁した。

「ボクは直線で何度もムチを持ち替えるからハンドル(握る部分)は人より長くないとダメ。同じ場所ばかり叩くと馬は痛くてつらい。右と左を交互に叩くのが大事ね。ハンドルが短いと持ち替えづらいんで」

 ちなみに色の選択は「ゲン担ぎ」だとか。最近のラッキーカラーはズバリ、赤!

 先週のGIIフローラS(サトノワルキューレ)も赤ムチで勝利した。

「その日は赤で4つも勝ちましたよ」。では気になる今週の天皇賞・春は?

「馬(トーセンバジル)は少しズブくて、ヨレるので硬いムチね。色はボクが一番、好きな黒でいきますよ!」

 時に大胆な騎乗で面白いように勝ちまくる最強外国人。その裏には人知れぬ感受性と、人一倍の探究心が隠されている。

(童顔のオッサン野郎・江川佳孝)

東京スポーツ

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