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地方でもゴール前決め手を発揮してゴールドドリーム/かしわ記念回顧(斎藤修)

  • 2018年05月03日(木) 18時00分
 中央6頭+ヒガシウィルウィンという実績馬が向正面中間で3〜4馬身ほどの差で凝縮しての争いとなったが、レースを支配したのは中央勢でもっとも人気のなかったオールブラッシュだった。

 逃げたことのある馬は何頭かいたが、典型的な逃げ馬は不在というメンバー。スタート後は様子をうかがいながらという馬が多い中で、少し気合を入れて先頭に立ったのがオールブラッシュだった。有力馬の中ではもっとも内の3番枠ということもあり、無理に行く馬がいなければ逃げるということはおそらく考えていたのだろう。

 まんまとオールブラッシュのペースになった。差し切って勝ったのはゴールドドリームだが、勝ちタイムは1分39秒2で、前後半の800mずつでタイムを分割すると49秒3+49秒9で、前半のほうがコンマ6秒速いだけのゆったりしたペース。レース全体では縦長の展開だったが、冒頭にも触れたとおり争覇圏の有力馬は向正面で一団となり、4コーナーあたりからの追い比べとなったことでも、レースがゆったり流れたことがわかる。

 直線を向いて残り200mのあたりではオールブラッシュが逃げ粘るかにも思えた。しかし3、4馬身ほどの差で追走してきたゴールドドリームの決め手がまさっていた。レースの上り3Fが37秒5のところ、ゴールドドリームの37秒0は圧巻だった。地方では5戦目にしての初勝利。2000mになるとやや長い感じはあり、1600〜1800mではあらためて現役最強であることを示した。

 オールブラッシュは、インカンテーションノンコノユメの追撃をしのいで2着に粘った。昨年の川崎記念を制して以降は、勝ち馬から1秒以上の差をつけられての敗戦が続いていただけに、今回の6番人気も仕方のないところ。大井の帝王賞JBCクラシックでも逃げていたがともに6着。そのときも最初の800m通過は49秒台で、しかしほとんど同じペースで逃げた今回は全体の距離が400mも短いということからも、楽なペースの逃げだったことがわかる。「あそこまでいったら勝ちたかった」と悔しがっていた村山明調教師は、「川崎記念を勝っていたし、左回りのほうが走りがいい」ということだった。

 ゴールドドリームより先に仕掛け、直線を向いたところで2番手だったインカンテーションは、ゴール前でじわじわと差を詰めたが、オールブラッシュにアタマ差及ばずの3着。フェブラリーSや、このかしわ記念でたびたび惜しいレースがありながらGI/JpnIを勝ち切れないのは、その最後のひと押しが足りないのかもしれない。

 ノンコノユメは、さすがに小回りの地方コースゆえに早め早めの競馬で、向正面から3コーナー過ぎあたりまではゴールドドリームとほぼ併走する形だった。しかし3、4コーナー中間から4コーナーをまわるあたりで置かれてしまい、それもまたこの馬の脚質なのかもしれない。ゴール前でしっかり伸びたものの決め手を生かすには直線が短かった。

 以上4頭が接戦での決着で、ベストウォーリアノンコノユメから4馬身離れての5着。かしわ記念は4年連続の出走で、2、3、4、5着と、ひとつずつ着順を落とした。負けても常に接戦がこの馬の持ち味だったが、昨年のかしわ記念以降では、武蔵野Sで勝ち馬から0秒6差があるだけで、それ以外は1秒以上の差。8歳という年齢ゆえの衰えかもしれない。

 モーニンコーラルSで2年ぶりの勝利を挙げたが、さすがにこのメンバーに入って互角に戦えるほどの復活ではなかった。

 ヒガシウィルウィンは地方最先着でなんとか面目を保ち、勝ち馬からは1秒4差。着差にして7馬身半ほど。今回は休み明けの4歳初戦でもあり、このレベルで勝ち負けするには古馬になっての成長があるかどうか。

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