「コラムで取り上げた馬の馬券圏内突入率が異常な件」が一部で話題になっていた栗東の坂路野郎・高岡功記者が、先週の
NHKマイルCでは完璧な取材&予想を披露した。「トレセン発(秘)話」(水曜発行担当)で「ケイアイノーテックは紛れもなくGI級」という渾身リポートをお届けしたうえで、予想も◎○▲で3連単12万9560円を大本線的中!! まさに神の領域へと足を踏み入れた。今週の第13回
ヴィクトリアマイル(13日=東京芝1600メートル)も“高岡の啓示”なくして、穴馬券はつかめない――。
ヴィクトリアマイルの登録馬が発表された先月29日、
ジュールポレールを管理する西園調教師はかたずをのんで登録状況の推移を見守り続けていたという。
「登録馬は17頭でしばらく落ち着いていたんだけど、その後、1頭増えて18頭に。その瞬間、これはヤバイなって。フルゲートを超えたら、ウチの馬はまず使えないと思っていたから…。“頼むからこのまま締め切ってくれ”って祈っていたよ」
収得賞金2100万円と、オープン馬としては底辺に近い稼ぎしかない
ジュールポレールは、本来ならGIのゲートインを果たすには不可能に近いポジション。今回はたまたま登録馬が18頭で収まったため出走できるが、実際、出走馬決定順は最下位の18番目だった。
つまり、西園調教師が危惧していた通り、ちょっと気の利いた馬がもう1頭エントリーしていたなら、真っ先に補欠となっていたのだ(ちなみに収得賞金だけなら1825万円の
デンコウアンジュの方が下だが、出走馬決定順には近1年の収得賞金が加算されるため、
ジュールポレールの方が下になる)。
「前走の
阪神牝馬S(5着)で、賞金を加算できなかった時は正直、泣きたい気持ちになった。これで目標にしていたレース(
ヴィクトリアマイル)に出られないものと思っていたから…」
そのため中1週で
福島牝馬Sを使うプランも検討されたが、たとえ賞金を加算できたとしても、本番に向けてキツいローテーションになることを考慮して断念。
「もしかしたら、今の賞金でも出られるかもしれないって。そこに賭けた。だから、登録の日は一日中ドキドキしていたんだよね」
そう、西園調教師は見事に賭けに勝ったのだ。ならば昨年(3着)に続き出走がかなった、この「幸運馬」に乗ってみる手もありか…。
「状態? もちろん、いいよ。昨年以上。油断したら、吹っ飛んでいきそうな勢いがある。やっぱり、暖かくなるこの時期がいいんだろうね。毛ヅヤ、体の張りがどんどん良くなっている」
ジュールポレールに大きな期待をかけているのは西園調教師だけではない。過去13戦のうち、デビュー戦と4戦目以外、すべての手綱を取ってきた幸も、この馬には並々ならぬ期待を寄せているという。
「3走前に準オープン(
秋風S)を勝った時なんかは、わざわざこの馬に乗るために、中山まで行ってくれたんだ。もちろん、今回も。それだけ力を買ってくれている」
昨年の
エリザベス女王杯が、自身初めてとなる掲示板外の大惨敗(16着)だったことからも、
ジュールポレールがGIタイトルを取れるとしたら、この
ヴィクトリアマイル以外には考えにくい。
本来なら出られるはずがなかった馬がベストレースにゲートイン――。乾坤一擲の一撃を期待して、早くも◎
ジュールポレールで勝負しようと決めている坂路野郎である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ