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【ヴィクトリアM】ジュールポレール“幸王子”と新女王 昨年3着の雪辱果たす

デイリースポーツ
  • 2018年05月14日(月) 06時00分
 「ヴィクトリアマイル・G1」(13日、東京)

 新女王の誕生だ。雨が降りしきる中、直線の激しいたたき合いを制したのは8番人気のジュールポレール。直線で馬場の中ほどから鋭く伸びて先頭に立ち、鼻差で栄えあるG1初タイトルをつかみ取った。1番人気のリスグラシューが外を強襲して2着。先に抜け出した7番人気のレッドアヴァンセが3着に粘った。

 雨に煙る4コーナー。8番手でカーブして栄光のゴールを目指すジュールポレールの姿は、ひと際輝いて見えた。「最後はいい脚を使ってくれますから、いつでも動ける位置で。手応えは十分でした。前の馬はかわせる。そう思っていました」。闘志に点火しようとしたその瞬間、幸は手綱越しに先頭に立つという予想図を描いた。

 先に抜け出していたレッドアヴァンセに満を持して襲い掛かる。ライバルの抵抗に合ったが、最後は外を迫ったリスグラシューを鼻差抑え、歓声を巻き起こした。「何か少しかみ合えば、大きなところを獲れる馬だと考えていましたし、雨も降り過ぎることがなくて、いろいろなことがかみ合いました」。8番人気に甘んじていたが、1年ぶりに帰ってきたこの舞台で、昨年3着のリベンジを果たしたパートナーをねぎらった。

 ヴィクトリアマイルの特別登録日である4月29日、西園師は締め切りまで状況を何度も確認したという。出走馬決定賞金順はボーダーライン上だったが、登録は18頭にとどまり、18番目の椅子を手にした。このことが、戴冠劇を生む序章になった。「福島牝馬Sへ、とも考えましたが、我慢して良かったです。ゴール前は心臓が飛び出してきそうな気がしました。昨年と比べると脚部の不安がなくなり、しっかり仕上げることができましたし、背丈も伸びて成長を感じていました」。師の辛抱の采配で呼び込んだ勝利と言っていい。

 西園厩舎に所属し、12年マイルCSを勝ったサダムパテックの異父妹。「大きな仕事をしてくれるという思いを持って育ててきた」(西園師)という秘蔵っ子が、兄も光を放ったマイルで女王の座に。感無量の表情で会見に臨んだトレーナーは今後について、「状態を見た上でオーナーと相談したいと思います」と明言を避けたが、3週間後に行われる安田記念(6月3日・東京)で、今度は牡馬を相手にマイル王を目指すというプランがこの先、現実味を帯びてくるかもしれない。

提供:デイリースポーツ

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