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【日本ダービー】キタノコマンドール池江師「ダービーは生半可な仕上げで勝てるレースではない」/ねぇさんのトレセン密着

  • 2018年05月25日(金) 10時30分
 すみれSキタノコマンドールがみせた取りつく脚の素早さは強烈なインパクトがありましたよね。そしてキャリア3戦でダービーの権利も獲りました。競走馬としての資質の高さは言うまでもないでしょう。しかし、調整にあたって陣営はコズミやすさに悩まされ続けました。キタノコマンドールはもともと物理的に負担が出やすい脚元をしているからです。

「この馬の肢勢(しせい)はツナギが立っていて短い。そして肩も立っていて、関節も硬いんです。そういった影響があってどうしてもコズミがちになってしまいます。体質もそれほど強い方でもない。担当している森澤くんも大変だと思いますが、本当によくやってくれています」(池江師)

 確かに。デビュー前後はコズミがかなり出ていました。しかし、関係者の努力とキタノコマンドール自身の競走馬としての体が仕上がるにつれ、レースを使うごとにコズミは減っていったのです。そして、ダービーに向けての調整。ここでの負荷の掛け加減とコズミの出具合、このバランスは池江師をもってしてもかなりの難問だったようです。

「ダービーは生半可な仕上げで勝てるレースではないのでね。2週前、1週前はそのあたりを考えて併せる相手を決めました。このあとは夏休みなので、というのもありますね」

 これこそ、“覚悟”なんだと思いました。

 結果的にこのあと、いつもに増してコズミが強く出ました。陣営の手厚いケアのおかげで、無事ダービー当週を迎えることができました。そして、当週の追い切り。坂路で強めに追っています。この流れを池江師に聞いたところ、納得の回答が返ってきました。

「今週も本当はウッドチップコースでやりたかったので、かなり考えたのですが最終的に坂路にしました。“究極の仕上げ”まではいかない。そこまでしてしまうと、コズミが強くなってレースどころではなくなってしまいますからね」

 あえて“やりすぎない”という選択をした池江師。これ、本当に難しいんです。さすが名将、と改めて思いました。

 枠は3枠5番、ディープインパクトオルフェーヴルのダービーと同じで池江一門にとってすごく相性のいいところが当たりました。これも何かの縁ですね。思い切った走りを期待しています。

(取材・文:花岡貴子)

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