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東京デビューに積極的でない藤沢和師が「まず大丈夫」と送り出すグランアレグリア/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2018年05月30日(水) 18時00分
「ダービーからダービーへ」をコンセプトに、2歳新馬戦が日本ダービー翌週(通常3回東京、3回阪神開催の開幕週)のスタートになったのが2012年のこと。その翌年には3回東京デビューのイスラボニータと3回阪神デビューのレッドリヴェールが2歳戦だけでなく、3歳クラシック戦線でも大活躍。早々に「中央早期デビュー」の注目度が高まった。

 その後も15年メジャーエンブレム、16年アエロリット、昨年もダノンプレミアムステルヴィオ、ケイアイノーテックなどが、この初っぱな開催デビューに該当するのだから、もはや今週から始まる当開催こそ、最も熱視線を送るべき新馬戦なのかもしれない。

 ひと昔前は「本格派は秋デビュー」と言われ、2歳夏にデビューするような馬は「早熟」のレッテルを貼られたものだが、それももはや過去の風潮。何よりファンにとっても、ダービーが終わって次のダービーを目指す流れは分かりやすく、POGのドラフト指名もこのタイミングで行われることが多い。ということでJRAの推進した流れは大成功?

「正直言うと、中央場所でのデビューはやりづらいんだよな」と意外なリアクションが返ってきたのは美浦の名伯楽・藤沢和調教師からだった。

「スクーリングができないからね。若い馬は初めての場所になかなかなじめないから、ツラい面がある。だからウチの厩舎でも期待している馬なんかは(滞在競馬でスクーリングがしやすい)北海道でデビューさせるようにしているんだ」

 なるほど、昨年のオークスソウルスターリングや、現3歳のタワーオブロンドンレイエンダといった有力馬は、この時期すでに入厩していながら、東京ではなく札幌デビューを選択したのにはそういった理由が…。

 一方で別のある調教師からは「態勢が追いついていない」との指摘があった。2歳新馬戦のスタートが早まることは同時に3歳未勝利戦を早く終わらせることを意味する。かなり専門的な話になるが、現行だと6月1日以降に始まる抹消給付金(未勝利馬を早めに抹消することで得られる給付金)の実施を前倒しする必要性が、降級制度もなくなる来年以降はより高まるというのだ。

 そういった感じで、まだ思案の余地は残す“ダービー〜ダービー”だが、とにもかくにも2016年生まれのシ烈な戦いが今週末からスタートする。東京の新馬戦3鞍で最注目は日曜(3日)芝1600メートルに出走予定の藤沢和厩舎グランアレグリア(牝=父ディープインパクト)だろう。母タピッツフライは米G1・2勝の良血で、入厩から約2か月にわたる豊富な乗り込みはもちろん、「牝馬で気がいいタイプだからね。初めての場所でも“まず大丈夫”って自信がある」からこそ、この時期の東京デビューには積極的ではないトレーナーを動かした。開幕週を飾るにふさわしい勝ちっぷりを見せてくれそうだ。

 ちなみにPOG的に最注目のレイデオロの半弟ソルドラード(父ロードカナロア母ラドラーダ)は「上と比べても一番コントロールが利く」、ソウルスターリングの半妹シェーングランツ(父ディープインパクト母スタセリタ)は「日本の馬場への適性は姉以上」と、ともにトレーナーの評価はめっぽう高く、2頭とも“王道”の北海道デビューを予定。いよいよ、熱い夏が始まろうとしている。

(立川敬太)

東京スポーツ

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