モズアスコットは特別登録の段階では獲得賞金順19番目だったこともあり、いったんは1週前の安土城Sを「前倒しで出走」(矢作師)した。しかし、賞金上位馬が回避したため、水曜の段階で出走が濃厚とされていた。ただし、
矢作芳人調教師が会見に応じた段階ではまだ出走は未確定であった。そこで、“もしも出走できたら”という前提で取材に対応していた。
――安土城Sを振り返ってください。
矢作 騎手(所属の
坂井瑠星騎手)が下手でしたね。内容的には悪くなかったと思います。馬場状態を考えても、外から伸びてくるのはなかなか厳しい状態でした。悪くはなかったと思います。ただ、ファンには申し訳ないんですけど、目標は
安田記念だったので1週前倒しして使ったということで。やはり、とても100%の状態にはなっていなかったので、あれ(安土城S)を使って上昇するのではないかと思っています。
――(オープンになってからの)ここ4戦を振り返ってください。
矢作 ちょっとツキもないかな、と。
阪急杯にしても、この前の
マイラーズCにしても勝っている競馬ではないかな、と。ちょっと展開的にツキはないかな、と感じていますし、持っている能力、ポテンシャルに関してはまったく疑いようはないと思います。
――連闘になりますが、調整内容は?
矢作 やっぱり疲れを取ることが主眼になると思いますけども、連闘は僕が一番得意なローテーションなので何も心配していません。
――すごい血統ですね。
矢作 そうですね。よく買えたな、と思っています。
――使い出しは遅かったですが、そのあたりは?
矢作 そうなんですよね。まだデビューして1年経つか、経たないかなんですよね(注:デビューは2017年6月10日)。それを思えば凄い馬だな、と思いますし。当初からいろいろな不安があってわざと使い出しを遅くしたんですけど。本当にそれを待ってくれたオーナーにも感謝していますし、先々、世界的な種馬にするためにもやはりGIというのは欲しいと思います。
――デビュー当初から変わってきたところは?
矢作 うーん、最初からいい馬でしたからね。ちょっと馬に伸びが出てきたな、と感じていますけれども。あとは精神面でしょうか。少しずつ成長しているという風には感じています。ただ、まだ子供ですね。
――GIの定量は58キロですが、そのあたりは?
矢作 あの背中ですから、重量については何も心配していません。
――期待のほどは?
矢作 心強いジョッキー(
クリストフ・ルメール騎手)が乗ってくれますのでね。彼にお任せして、彼のマジックを見せてもらおうかな、と思っています。
――先生自身の
安田記念に賭ける想いは?
矢作 悔しい想いしかないんでね。
スーパーホーネット(2010年2着)にしても、
グランプリボス(2012年、2014年2着)にしても。まぁ、日本一を獲りたい想いが強いのかな、と思っています。
(取材・文:花岡貴子)