スワーヴリチャードが競馬のために馬運車で競馬場に到着したら、何よりも最初にすることがあります。なんだかわかりますか?それは「馬房で寝転がる」(久保助手)ことだそうです。今回もウッドチップが敷かれた出張厩舎の馬房へ入ると、すぐに砂浴びをするように大きな背中を下に向けてゴロリ。ひとしきりゴロゴロしたあとに態勢を立てなおして立ち上がりました。
「競馬場に到着すると必ずやりますね」
と、久保助手はチップまみれの愛馬を優しく見守ります。
東京競馬場のように一泊するための厩舎にくらべて、阪神や中京は短時間の滞在が前提のため、馬房のサイズが小さいのです。それでも、構わずに
スワーヴリチャードはゴロリとひっくり返るそうです。もはや、
スワーヴリチャードにとって馬房で寝転ぶことは、"しなければ気が済まないこと"なのでしょう。
その後は馬房の下に用意された青草を頬張り、その上方にある水桶で水を飲もうとして頭をぶつけてみたり。
なんかお茶目なのですが、とにかく元気いっぱいでした。
さて、今回の輸送は渋滞のため、通常より30分〜1時間ほど多く時間を要している馬が多かったです。
スワーヴリチャードもその1頭でしたが、
「想定の範囲。馬への影響もないですし、問題ないですよ」と久保助手はまったく気にしていませんでした。
長距離輸送では「いつも10キロくらい減る」ので、前走比では「プラスマイナス0、または若干のマイナス体重」を想定しているそうです。
「前走(
大阪杯)と同じくらいいい状態をキープしていますよ」(久保助手)と陣営は状態面では自信たっぷり。
舞台は実績ある東京競馬場。マイル適性と高速馬場への対応はやってみないとわからないといったところでしょうか。
(取材・文:花岡貴子)