先週の土曜東京メイン・
アハルテケSのレース後に、こう思った。やはり
サンライズノヴァが勝ったかと。本命にせず何が「やはり」だと読者から批判が聞こえてきそうだが、1番人気のハンデ頭(57.5キロ)が中1週で連続東上。正直、馬券的妙味は感じない。結局、的外れな当方の予想より、5走連続で東京を選択した陣営の執念が、はるかに上。そんなシビアな答えが返ってきたが…。
それでも「やはり」と感じたのには理由がある。
サンライズノヴァに限らず、東京ダ千六は黙って
ゴールドアリュール産駒が買い――。近年はこの傾向が顕著だからだ。
過去10年の
フェブラリーSで、延べ4度も優勝馬を輩出するダート界のスーパー種牡馬。その産駒が得意とするのは同舞台のGIII
ユニコーンSも同様だ。14年
レッドアルヴィス、16年
ゴールドドリーム、そして昨年
サンライズノヴァと近4年で優勝馬3頭が誕生している。産駒は、おおむね器用さに欠けて、緩急の対応が下手。その半面、リズム良く走れた際のスピードの持続力は半端ない。おそらく広い東京のワンターンがベストなのだろう。
「確かに、そうかもしれませんね」
当方の問い掛けにこう答えたのは、
ユニコーンSの抽選突破(賞金900万21頭で11頭が出走可)を願う
イダペガサスの高野祥亨助手。デビュー3戦目で初めて土がついた前走・
昇竜S4着(中京ダ1400メートル)の敗因も舞台設定に求められるかもしれない。
「勝負どころで前の馬が邪魔になり、追い出しが遅れ、エンジンがかかったころには時すでに遅し。同じ左回りでも東京と違い、中京では器用さが求められる。それがチグハグな競馬を生んだ原因かもしれません」(同助手)
前走を度外視すれば東京コースは2戦2勝。まさに典型的な
ゴールドアリュール産駒だが、デビューから休み休みで4戦目の今回も3か月の放牧明け。ネックは、その体質の弱さか。それでも5月下旬から入念に乗り込まれ、新パートナー・
嘉藤貴行とも息を合わせてきたのは心強い。
「重賞ペースなら課題の折り合いもつきそうだし、前走で乗ったルメールはオープンも通用すると言ってくれた。強敵相手に試金石の一戦ですが、抽選をクリアして先につながる競馬ができれば」と高野助手。
同じく2戦2勝の
ゴールドアリュール産駒ホウショウナウとともに、当方も抽選突破を願ってやまない一頭である。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)
東京スポーツ