春の
グランプリとして年末の
有馬記念と対をなす存在だが、秋の古馬路線が天皇賞→
ジャパンC→
有馬記念と定まっているのとは対照的に、
宝塚記念に至る各馬のローテーションはバラエティに富む。臨戦過程が様々な馬が一堂に会するのが
宝塚記念の華やかなところであり、また難しさでもある。
1.格は当てにならない
過去10年の勝ち馬のうち、
エイシンデピュティ、
ナカヤマフェスタ、
アーネストリー、
ラブリーデイ、
サトノクラウンの5頭はここが国内G1初勝利。実績面で格下と見られる挑戦者が互角以上に戦えるレースである。
2.休み明けは厳しい
「前走が3月以前だった」という馬が3着以内に入ったのは、過去10年で2回のみ。いずれもドバイ帰りだった
ジェンティルドンナ(2013年3着)と
ドゥラメンテ(2016年2着)で、いずれも断然人気になりながら勝ち損ねる形だった。両馬を含めて、前走が3月以前だったという馬は、30年以上勝利がない。4、5月にレースを使えなかった馬は割引が必要だ。
3.スランプが続く馬の復活は難しい
過去10年の勝ち馬で前走も勝っていた馬は3頭だけと、敗戦から巻き返す馬が少なくないレースだが、前2走とも連対を外していた馬の勝利は2011年の
アーネストリーだけ。
アーネストリーも前走
金鯱賞が3着で、前々走は前年秋の天皇賞を3着と好調を持続していた。スランプに陥った実績馬の復活は簡単ではない。
パフォーマプロミスは3歳9月のいわゆる「スーパー未勝利戦」でデビュー勝ち。3、4歳時にはわずか4戦しか使えなかったが、体質の弱さが抜けてきた昨年春以降は3着以内を外すことなく出世を重ねて、6歳にしてGIの舞台までたどり着いた。相手なりに走れる反面、突き放して勝つような決め手には欠ける。一昨年の勝ち馬
マリアライトに似たタイプで、前走
目黒記念の惜敗は気にしないでいいだろう。
戸崎圭太騎手との相性も[2-1-0-0]と抜群で、道悪や直線が短いコースにも実績がある。今の充実ぶりならばGI実績馬相手でも。