中央競馬上半期で最後のGIレース、
宝塚記念が目前に迫っています。
今回、有力馬の陣営が思いのほかコメントの歯切れが悪く、取捨に困りますよね。わたし自身もずいぶん悩みました。
明らかに調子がよさそうなのは
ヴィブロス。友道師をはじめ、陣営も
宝塚記念を勝てなかった
ヴィルシーナの分まで「なんとか、妹で勝利を」(友道師)と明らかに勝利を意識したコメントを連発していました。実際、馬の雰囲気もめちゃめちゃいいんですよね。アッサリ、という場面はじゅうぶんあると思います。
一方でファン投票第1位に推された
サトノダイヤモンド陣営はすごく慎重な構えです。
最終追い切りは
シロニイを前において
クライムメジャーも交えた3頭での併せ馬。
サトノダイヤモンドをあえて真ん中に置いたのは「つついて刺激を与えるため」(池江師)で、意識的に
サトノダイヤモンドの闘争心を煽っていました。
その効果もあり、最終追い切りは雨の降りやまない極悪な状態の中で、実に爽快な走りという印象を受けました。上がってきたあとも、闘志を表に出している雰囲気で陣営の思惑どおりに仕上がった印象でした。
追い切り後、厩舎を訪ねたところ、担当の中澤助手も「(追い切ったことで)ピリリとしてきましたよ」と話していました。月曜に聞いたときは「かなり(状態が)戻ってきた」という話だったのさらに一歩前進という印象を受けました。
池江師も「(状態がいいころに)戻ってきたんじゃないか」「なんとか期待にこたえたい」と話ながら、必死で調整をしてきています。個人的な印象ですが、池江師は比較的コメントが慎重で辛口な時でも結果が出る印象があります。責任を重んじるゆえに言葉が慎重になる。しかも、コメントの多くは水曜日に出している。でも、レースは4日後の日曜日。その間に馬がガラリとよくなることはよくあるし、実際
サトノダイヤモンドもそのような雰囲気を醸し出しています。
サトノダイヤモンドの復活、十分にあると思います。
(取材・文:花岡貴子)