かつては阪神で行われていた重賞で、コースが改装された中京競馬場に移動してきたのが2012年。直線が長くて坂があるということでは、東京競馬場と類似しているが、コーナー自体は小回りなので器用さも要求される。他にはない独特のコース形態であり、ここがレース攻略の大きなポイントになる。
1.中京での連対実績が不可欠
移動初年度の2012年はほとんどの馬が初コースだったので例外として、2013年以降5年間の勝ち馬は、すべて以前に中京ダート(距離不問)で連対した実績があった。昨年の勝ち馬
キングズガードは左回り不得意を公言していたが、それでも当時の時点で中京ダートは[0-1-2-0]。
2.格より調子
コース移動後の6年間の連対馬12頭のうち、前走でも連対していた馬が9頭を占める。例外馬のうち、2012年の勝ち馬
トシキャンディは逃げ一手のため負けるときは大敗するタイプ、もう一頭の昨年2着馬
カフジテイクはドバイ帰りの格上馬で、しかもそれがゴドルフィンマイルの5着好走だから、
JRAでの凡走とはわけが違っている。
3.前走1着馬よりも2着馬
同様に中京で行われた過去6年間で、前走で1着だった馬は[1-3-3-21]、勝率3.6%・連対率14.3%であるのに対して、前走で2着だった馬は[4-1-0-8]で勝率30.8%・連対率38.5%。前走連対馬の中でも、なぜか1着馬ではなく2着馬のほうが強い、という傾向が表れている。
昨年の覇者
キングズガードは、その後勝ち星から遠ざかっていて、ここ2走は1番人気に支持された交流重賞で2着続き。しかし、いずれも高知、名古屋という直線が短いコースでのものだから、「敗れてなお強し」と言えるレースぶりではあった。さらに前走の
フェブラリーSの6着も、直線で進路がなくなって切り替えるロスがあってのもので、スムーズだったらもう2つ3つ着順が上がった可能性が高い。この一年間結果には恵まれていないが、レベルの高いレースを経験したことで、昨年よりむしろ力をつけているのではないか。直線が長い中京に替わって斤量減とくれば、まとめて差し切る場面は充分に想像できる。