「プロキオンS・G3」(8日、中京)
ダートに転じて素質が開花。目下2連勝中の
ウインムートが、勢いそのままに重賞初Vを狙う。初めてダートを試したのが、ちょうど1年前の
桶狭間S。逃げ切りVでいきなり高い砂適性を示すと、そこからさらに地力を強化し、オープン特別を3勝する活躍を見せている。充実期を迎えた今なら、タイトル奪取も夢ではない。夏の尾張で再び輝きを放つ。
栗東S-天保山Sを2連勝。
ウインムートの勢いが止まらない。特筆すべきは、前走の天保山Sだ。先行馬に厳しい展開のなか、2番手から力強く押し切った内容は本格化を印象づけた。「外からプレッシャーをかけられたが、58キロを背負いながらも最後までよく辛抱してくれた」。戦況を見守った加用師も内容を高く評価する。
ここまでの道程は平たんではなかった。17年2月。オープン入りを果たし、芝でさらなる飛躍を期待されたが、次戦のオーシャンS(14着)で重賞の壁にはね返された。続く降級戦の
テレビユー福島賞も11着に大敗。完全に歯車が狂った。
だが、次の一手が再浮上のきっかけとなる。初めてダートに挑んだ
桶狭間Sを鮮やかに逃げ切った。「あんなに楽に逃げられるとはね。時計も速かった」。トレーナーも驚くほどの高い砂適性を示し、輝きを取り戻した。
全兄は、芝ダートの“二刀流”で活躍した
ドリームバレンチノ。変わる下地はあった。「バレンチノは軽い芝向き。ムートは(洋芝の)札幌で2連勝したように、重い芝が合っていた。そのあたりからも、ダートに適性があったのかな」。兄は6歳秋に砂へシフト
チェンジ。4歳夏に適性を見いだした弟にかける期待は大きい。
2連勝の勢いで一気にタイトルを獲りにいく。「今度は56キロで行けるからね。ダートの2キロ減はだいぶ有利だと思う。一線級がそろうなか、前々で競馬をするこの馬にとって、斤量は軽いに越したことはないからね」。転機となった尾張の地で、成長の跡を示す。
提供:デイリースポーツ