「函館芝は、タフな馬が活躍する」
と、いわれています。理由は、函館と札幌では寒冷地対策として欧州と同じ洋芝が使われているからです。洋芝は緑が鮮やかですが、他場で使われている野芝より耐久性が低いのが弱点。つまり、開催が進むほど馬場の傷みが進行し、時計を要するようになります。函館は梅雨(蝦夷梅雨)の時期の開催ですからなおさらでしょう。時計を要する=馬場が「重い」ですから、非力な馬では通用せず、タフさも必要になるのです。
当然、2連続開催後半の
函館記念も、前半と比べれば時計を要することが多いです。近年は、馬場の維持や向上技術が進み、かつてほどではありませんが、それでもひと雨降れば、決着タイムが2分を超えることもしばしば。今週末の函館も雨模様だけに、それくらいの時計になる可能性も十分。そうなると前走でタフな競馬を経験し、心肺機能が強化された状態で挑める馬が有利となるのです。
函館記念は、2005〜2007年に
巴賞を経由した
エリモハリアーが3連覇し、「
函館記念は
巴賞組を狙え!」という格言がブームになった時期がありました。しかし、近年はすっかり影を潜めました。
巴賞が高速馬場で行われることが多くなったことで、それほどタフさが要求されなくなってしまったからです。
巴賞が超高速馬場で行われ、
函館記念が重馬場で行われた昨年などは
巴賞組全滅、
巴賞の勝ち馬
サトノアレスは断然の1番人気を背負ってドボンという結果です。
一方、
エリモハリアーが3連覇した年の
巴賞は時計を要していました。
函館記念も同様に時計の掛かる馬場で行われたために、
巴賞で時計の掛かる馬場を経験している強みが生きたのです。今年の函館も昨年ほどではありませんが、かなり時計の出る馬場でスタートし、
巴賞にいたっては雨に祟られて道悪で行われました。ひと昔前の
函館記念の状況下に戻ったといえます。
つまり、前走で道悪を経験したことで、心肺機能が強化された
巴賞組はその強みが生かされるということです。また、今年は
エプソムCも道悪でした。穴メーカーは
巴賞と
エプソムC組ということになるでしょう。
函館記念が道悪ならば、それらを本命にするのが好ましいでしょう。
(文=山崎エリカ)
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