今週の栗東も先週に続いて、雨が降らず、酷暑が続いている。その影響を受けて、ダート馬場、ウッドチップ馬場ともに乾燥。散水をされているウッドチップは走りやすい状態をキープしているが、散水がされていないダートはかなり力が必要な状態になっている。

【坂路/4F51.9秒】
　18日。一番時計はアンナペレンナ(栗東・西園正都厩舎)の4F49.5秒。49秒台はもう1頭いて、4F49.9秒のスパイチャクラ(栗東・西浦勝一厩舎)。どちらも牝馬が出した時計というのは、この季節も関係しているだろう。ちなみに18日のベスト4F時計の上位10頭のうち、8頭は牝馬だった。

　ラップの踏み方も2F目から11秒台でも4F目を12秒台でまとめている馬が2頭。速い時計が出やすい典型的な馬場といった感じがする。こうなると前半をゆっくり入れば、後半は当然のように速く、2F25秒以下は多数いる。

　中京記念(7月22日・中京芝1600m)に出走予定のフロンティア(栗東・中内田充正厩舎)。前後半で4.7秒も差のある追い切りだったが、最後まで楽な手応えで併せた相手を圧倒。さすが新馬、新潟2歳Sと夏場に連勝した実績がある馬という感じがする。

　19日。一番時計はディオスコリダー(栗東・高橋義忠厩舎)の4F51.1秒。馬場状態としては前日とほぼ変わらない印象だった。

　先週の馬場差は「±0.0秒」。先週よりも走りやすい状態だった今週は18日、19日とも『-0.3秒』で馬場差を記録している。

【CW/5F66.0秒】
　18日。朝一番から少し時計が出にくい印象があったが、乗り手と会話しているうちにその原因がウッドチップ馬場の乾燥ではないかという結論に至った。とはいっても、6Fで80秒を切る頭数も多いので、時計を要する馬場ということはない。

　19日。前日に比べると、かなり速い時計が出ている印象。ウッドチップ馬場を見るとかなり黒ずんでおり、散水の量が増えているのではないかと推測できる。グリップが効く状態になっていて、前日よりも走りやすい馬場状態ではないだろうか。

　朝一番の馬場で3頭併せの大久保龍志厩舎。最後方、最内のインターセクションは3歳の500万下という条件だが、とてもそのクラスとは思えない動きと時計。6F78.1〜5F63.6〜4F49.8〜3F36.8〜1F12.3秒は3分どころを通ったとはいえ、かなり速い数字。500万下では勝ち切れていないが、コーナーをタイトに回る能力もひっくるめて、もっと上のクラスでもやれる馬ではないだろうか。

　そして、馬の少ない、1回目の馬場が閉まる直前の時間帯に単走で追い切ったのが、アイビスSD(7月29日・新潟芝直線1000m)の出走を予定しているカラクレナイ(栗東・松下武士厩舎)。時計はかなり遅かったが、スピードのコントロールを重視した内容。500キロを超える牝馬、いかにも直線競馬には適性がありそうな印象を受ける。

　先週の馬場差は「-0.6秒」。18日は全体的な時計の出方を見ると、先週よりは少し速い数字が出ている。よって『-0.9秒』で馬場差を記録。19日は本文にも記したように、散水の影響でかなり走りやすい状態。よって馬場差は『-1.4秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は18日、19日とも藤原英昭厩舎が併せ馬で利用。追い切りの動きを見ていると、一時期の緩い馬場からしっかりとした状態になってきた印象。それだけに走りやすい状態に思える。よって今週の馬場差は『-0.5秒』で記録している。

　ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週と変わらない。利用する厩舎も荒川義之厩舎や藤岡健一厩舎など同じ。今週の馬場差は18日、19日とも『+0.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・文：井内利彰)