「
中京記念・G3」(22日・中京)
“未完の大器”
グレーターロンドンが、悲願の重賞タイトルを手に入れた。直線で自慢の末脚をさく裂させると、1分32秒3のコースレコードでV。
ディープインパクト産駒の良血馬が6歳にして開花を迎え、1番人気18連敗中というレースの歴史に終止符を打った。2着は5番人気
ロジクライ、3着には4番人気の
リライアブルエースが続いた。
名古屋市の最高気温が39・5度を記録した夏の中京開催最終日。容赦なく照り付ける厳しい太陽光を浴びて、1番人気
グレーターロンドンが、直線大外から最高の輝きを放った。内で食い下がる
ロジクライを、ゴール前100メートル過ぎでかわしてゴールイン。待望の重賞初制覇を飾った。
「いつも人気を背負っていて、もう少しという競馬が続いていたので、ホッとしました。直線はスパッと久しぶりに決まりましたね」。田辺は汗だくになった顔を拭いながら、会心のレースを振り返る。5連勝でオープン勝ちを決め、重賞初挑戦となった昨年の
安田記念で4着。すぐに手に入りそうだったタイトルだったが、その後は連敗が続き、7回目の重賞出走でようやく手に入れた。しかも、1分32秒3のコースレコードだ。
大きな勝因の一つがローテーション。大竹師は「1400メートルに使ったのがいい方に出ましたね」と話すように、前走の京王杯SC(4着)で距離を詰めたことが、今回に生きた。いつもより前のポジションで流れに乗り、勝負どころでは先行馬をかわせる位置に。これまでは最後方から展開頼みの競馬が続いていただけに、収穫の大きなレースになった。
「この暑さだったからね。今後は状態を見てから」とトレーナーは次走についての明言は避けたが、「賞金を加算できたし、大きいところに出走できますね」とG1制覇への意欲を示した。大器“完成”へ。灼熱(しゃくねつ)の桶狭間をきっかけにして、6歳の良血馬がさらなる大舞台を目指す。
提供:デイリースポーツ