夏の新潟競馬の開幕を告げる名物重賞。
函館スプリントSや
CBC賞からの転戦も見られるが、直線競馬という他にはない特殊なコース形態が影響していて、前走で重賞を使われていた馬の存在感はあまり大きくない。サ
マースプリントシリーズのなかでも独特の色合いを持つ一戦だ。
1.凡走馬の巻き返しは困難
あっという間に決着がつくレースで、出遅れはもちろん、馬群を捌くのに手間取っても致命傷になりかねない。心身ともに
ピークに近いコンディションが必要になる。前走で掲示板を外していた馬の連対は、過去10年で5頭のみ。現在の日程で行われるようになった最近5年間では、2015年の勝ち馬
ベルカント1頭(前走が出走取消)だけである。
2.逃げ馬が共存できる
コーナーがあるコースとは違って、馬群は縦一列という形にはならない。ハナに行き切ることはそれほど重要ではなく、複数の逃げ馬がそれぞれのポジションで余力を温存しつつ追走できる。2012年と2013年は、前走でハナを切っていた馬同士のワンツー。一昨年も
ベルカントと
ネロという快速馬2頭による決着だった。
3.パワーと馬格が求められる
器用さがあまり必要ないコース形態ということもあり、スタートからガンガン押していくパワーと馬格に秀でた馬がアドバンテージを持つ。過去10年間の勝ち馬のうち8頭までが馬体重480kg以上で、例外の2頭も
エーシンヴァーゴウが464kgで、
ラインミーティアも470kgあった。
ベストマッチョは5歳にして芝初出走となる。スタート地点が芝になっている中山ダート1200mでは[1-1-0-0]。
ジャニュアリーSでは前半3F33.9秒の流れを、余裕の3番手追走から抜け出して完勝。
京葉Sは内枠が仇になり無理をしてハナに行く形から、前半3F32.8秒(稍重馬場)という厳しいラップを踏みながら2着に踏ん張っている。ダッシュ力の比較ならばおそらくここでも上位で、通用する余地は少なくない。