「アイビスSD・G3」(29日、新潟)
注目を集めた森田厩舎の有力2頭による併せ馬。現3歳世代初の古馬重賞Vが懸かる
ラブカンプーは25日、先輩
ダイメイプリンセスに後れを取ったものの、上々の全体時計をマークした。仕上がりは万全。直線競馬は未経験だが、JRAで初めて斤量51キロで騎乗するM・デムーロの手腕も含め、勝負気配は間違いなく高い。
伸びゆく3歳牝馬が先輩僚馬に食らいついた。
ラブカンプーは栗東坂路で
ダイメイプリンセスを前に見る形でスタート。3F目でグイッとギアを上げたものの、なかなか前に出られない。それどころか最後は突き放される格好となったが、ガス欠ではなく、相手が若干スピードの持続力にたけていただけだろう。4F52秒5-37秒3-12秒6のタイムに、森田師は「2頭とも頭が低いし、頭が低いから動きもよく見える」と感想を述べた。
フィニッシュライン上は約2馬身の遅れ。しかし、それを指摘された指揮官は「いやいや」と、かぶりを振る。全体時計では
プリンセスが52秒7で、
カンプーが0秒2速い。決して負けてはいないというわけだ。「細い牝馬の割にレース前にカッカしないし、無駄な体力を使わない点が好走につながっている」。前走の葵Sは0秒2差の2着同着。未知の直線競馬にも「やってみないと分からないが、楽しみだね」と期待は膨らむばかりだ。
気合満々の鞍上も頼もしい限り。JRAのレースにおいて、斤量51キロでの騎乗は初めてとなるM・デムーロは「チャンスのない馬では嫌だけど、チャンスがある51キロなら乗りたい」と意気込みを隠さない。「減量は食べないのと、汗取りで頑張っています(笑)」。人馬ともに着々と“仕上げ”は進んでいる。
結果次第で今後の道筋にも光が差す。「
北九州記念(8月19日・小倉)から
スプリンターズS(9月30日・中山)に行きたいね」と師。06年
サチノスイーティー以来の3歳馬V、そして現3歳世代初の古馬重賞制覇が懸かる一戦。スピードをフルに発揮して勲章をつかみ取る。
提供:デイリースポーツ