JRAの古馬混合戦としては、夏場に行われる唯一のダート中距離重賞。歴代の勝ち馬には、
アドマイヤドン、
ローマンレジェンドといったチャンピオンの名前も見られる。しかし、レースの施行時期が繰り上げられたことにともなって、秋のGI戦線を見据えるようなトップクラスの参戦は減少傾向にある。札幌開催の前半に行われるようになった近4年は、1番人気が[0-1-1-2]と未勝利。人気馬の信頼度が目に見えて低下している。
1.4、5歳馬が強い
過去10年(新潟・函館開催を含む)で4歳馬が5勝していて、勝率23.8%・連対率28.6%。これに続くのが4勝している5歳馬の12.5%・21.9%で、勝っているのはほぼこの2世代だけである。6歳以上での勝ち馬は、
東京大賞典勝ちの実績があって断然の格上だった
ローマンレジェンド(2回め)のみ。
2.北海道ダートOPの延長戦ではない
大沼S、
マリーンSなど、函館開催で行われるオープン特別から臨む馬が多数を占めるメンバー構成になるが、最近5年間で「前走北海道のオープン特別組」は2連対。昨年1番人気2着の
テイエムジンソクと、2015年2番人気1着の
ジェベルムーサの2頭だけだ。
3.スピードが必要
過去10年のうち札幌で行われた8回で、逃げ・先行脚質の馬が6勝して2着8回。後方からレースを進めた馬で連対したのは、2015年の勝ち馬
ジェベルムーサと2011年の勝ち馬
ランフォルセの2頭だけである。1コーナーまでの距離が短いコースレイアウトの上、フルゲートが少ないので先行争いも落ち着きやすい。先行スピードに優れた馬が確実にアドバンテージを持つ。
ここは
アンジュデジールに注目したい。牡馬混合戦での実績はないが、前走の
マリーンCで2着に降した
クイーンマンボは、続く
平安Sで2着している実力馬である。これを相手に最後は手綱を緩める余裕があった。4歳を迎えて着実にパワーアップしており、現状の充実ぶりなら牡馬相手でも通用の余地がある。