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「夏に弱い」のに2戦2勝アウィルアウェイ/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2018年08月15日(水) 18時00分
 予想外…と言っては失礼かもしれないが、ジャスタウェイの産駒が2歳の早い時期から、これほどまでに走るとは思っていなかった。

 晩成型ハーツクライの代表産駒で、自身の本格化も4歳になってから。現役時代のジャスタウェイを管理し、多くの産駒を手掛ける予定の須貝調教師の見通しも「産駒の評判はいいし、活躍はすると思うけど、全体的に緩い馬が多いので、古馬になって化けるという感じじゃないかな」

 祖母のアイリッシュダンスからハーツクライジャスタウェイと続く晩成血統の流れを知る関係者の誰もが、おそらくはこの須貝調教師と似たような見解だったはずだ。

「実は私もジャスタウェイ(産駒)が早い時期から活躍するとは思っていなかったんですよ。ちょっと意外でした」

 そう語るのは4日のダリア賞(新潟芝内1400メートル)をジャスタウェイ産駒のアウィルアウェイ(牝)で制した高野調教師。しかし、早期に2勝をマークした管理馬によって、その考えに変化が出始めている。

「例えばトモが緩いとか、そういった肉体的な物足りなさを感じたことは一度もないんです。トレセンに入厩すれば、まずはゲート試験を受けるわけですが、その前後のかなり早い段階で“そこまで調教をせずとも新馬戦は勝てるだろう”と思いました。それくらい他の馬とは(能力も完成度も)違っていましたね」

 デビュー当初のハーツクライは線が細く、腰やトモがパンとしてくるまでに時間がかかった。それは産駒にも通じる要素であり、2歳7月の新潟新馬戦で5馬身差の圧勝デビューを決めたジャスタウェイも例外ではない。それだけにアウィルアウェイの現況は予想外。

 しかも高野調教師が言うには「実は前回も前々回もレース後の息遣いがあまり良くない。おそらくは夏に弱いタイプなのでは? 緩さとかはないと言いましたが、状態面はそこまで良くなかったと思いますし、涼しい時期になれば、さらに走れると考えています」

 その話しぶりから、早くも暮れの2歳女王決定戦・阪神JFに目線が行ってしまう。早々と有力馬の一頭としてカウントしても問題なかろう。

 ちなみにレースでのパフォーマンスもまた、ハーツクライの血に重なるイメージはない。ピッチ走法で走るアウィルアウェイのそれは母系の影響を強く受けているのだろうが、抜ける瞬間の力強さは「ジャスタウェイの母父であるワイルドアゲインから来ているものでしょう。トップスピードの走りにアメリカの馬に見る重厚感がある。それはウチの馬だけでなく、勝ち上がっている他の産駒にも共通しているように思います。いずれにしろ父(ハーツクライ)よりも上の種牡馬になる可能性を感じますね」(高野調教師)。

 ほかにも5日の小倉芝1800メートル新馬戦で2着に8馬身差の圧勝を決めたヴェロックス(牡・中内田)など、様々な舞台で資質の高さを感じる馬を送り出し続けるジャスタウェイに対する期待値は上がる一方だ。

(松浪大樹)

東京スポーツ

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