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ダートでも確信を得たラビットラン/ブリーダーズゴールドC回顧(斎藤修)

  • 2018年08月17日(金) 17時45分
 ブリーダーズゴールドCが牝馬限定のJpnIIIとなって5年目。今年も地方馬は苦戦を強いられ、JRAの出走全馬が上位を独占したのは2014、15年に続いて3度目。3着以内は5年連続でJRA勢の独占となった。

 2011年にJBCレディスクラシックが創設されたこととも無関係ではないのだろう、JRAのダート牝馬の層はますます厚くなっていて、昨年はJBCレディスクラシックを大井のララベルが制し、南関東勢ならなんとか2、3着には入れるが、それ以外の地区の地方馬はほとんど出番がない。今回も地方最先着の6着は大井から遠征したブランシェクールで、そもそも同馬にはJRA所属時にTCK女王盃で2着という実績があった。

 予想されたとおりプリンシアコメータが逃げ、王冠賞を制した地元の3歳馬クロスウィンドが2番手、フォンターナリーリがほぼ併走する形でラチ沿いを追走。ラビットランが4番手で、アップトゥユーはさすがにこのメンバーが相手となると無理せず、タイムビヨンドとともにそのうしろからの追走となった。隊列は徐々に縦長となり、3コーナー過ぎでクロスウィンドが徐々に後退すると、そのあたりからは早くもJRA勢5頭の争いに絞られた。

 勝負を決めたのは4コーナー。徐々に前との位置を詰めてきていたラビットランが、4コーナー手前でフォンターナリーリを外から交わしていった直後、先頭のプリンシアコメータが大きく内を空けているのを見てラチ沿いに進路をとった。ラビットランは一瞬にしてプリンシアコメータに並びかけ、そして直線で突き放した。デムーロ騎手の一瞬の好判断がもたらした勝利といえそうだ。

 今年の門別コースは内はほとんど伸びないことが多く、おそらくプリンシアコメータの戸崎騎手はそれを意識していたのだろう。ラビットランが内から並びかけてきたときに戸崎騎手は内を振り向いて、「え!内から来たの?」と思ったのではないだろうか。加えて、レースの上り3Fが39秒2のところ、勝ったラビットランの38秒4という上りは際立っていた。

 1番人気で3着だったクイーンマンボは、隊列が縦長となった向正面あたりから手を動かして行きっぷりが悪かった。函館からの輸送で馬体重マイナス10kgの496kgは体調的に問題があったのかもしれない。

 重賞初挑戦ながら2番人気と期待されたフォンターナリーリは4着。プリンシアコメータがまだ楽な手応えで逃げていた3コーナー過ぎからすでに鞍上の手が動いていた。こちらは逆に前走からプラス16kgの508kg。昨年11月以降は490kg前後で安定していたのが、今回、デビュー以来の最高馬体重を大幅に更新。地方の馬場やナイターが初めてだったことなど、馬体重のほかにもさまざまに要因は考えられるが、とにかく持てる能力を発揮することができなかった。

 前日のクラスターCもそうだったが、猛暑の影響も少なからずあったのだろう。自身の能力を発揮できる状態にあったかどうかで、有力馬の明暗が分かれた。勝ったラビットランには、今年は京都で行われるJBCレディスクラシックに向け、ダートでもやっていけるという自信にはなっただろう。

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