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短距離戦線の勢力図を塗り替えるかトゥラヴェスーラ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2018年08月23日(木) 18時00分
 いつか出る、いつか出ると思わせながら、簡単には出現しない。それが短距離界の主役なのかもしれない。近年ではロードカナロア、古くはタイキシャトル。路線に華を生むのは、勝つべくして勝つ絶対王者の存在。明瞭な対決図式があってこそ、勝負の光と影、そのコントラストが見る側に伝わるのだが…。

 その意味では今年のキーンランドCは、大いに注目したい一番だ。スプリント路線に新たに参入してきたキャンベルジュニアムーンクエイクの古馬勢に加えて、飛躍の余地を残すダノンスマッシュトゥラヴェスーラら3歳勢。こんな異種格闘技的な組み合わせこそ、混沌とした勢力図を一気に塗り替える可能性があるからだ。

 さて、取材を重ねるにつれて宴会野郎の気持ちを引く一頭が実はトゥラヴェスーラである。中距離からスプリント路線に切り替えて2・1・2着。まだ目立つ戦績は残していないが「来年はGIを走っている馬」と主戦・福永祐一の評価が半端なく高いのである。その背景を新谷功一助手が次のように伝える。

「前走の葵S(2着)では“動いてほしい時に反応が悪くて動けなかった”とジョッキーは不満そうだった。そのあたりは期待の裏返しでもあるのでしょう。札幌に来たのは日曜(19日)でも、2か月前からジョッキーとの相談でプランを練ってじっくり栗東で調整してきた。今回の結果を今後の物差しにしようとするつもりでね」

 後方からの競馬を強いられている現状を見れば、トモの緩さや腰の甘さに課題はあるのだろう。それでも前走から3か月、鞍上はパートナーに確かな成長を感じているようだ。

「前走は稽古でもパッとしなかったが、今回のほうが状態はいい。力試しだね。ここでやれるなら秋はGIに行っていいし、ダメなら一から積み上げていけばいい。当日に雨が降ってもいい経験になるし、そのあたりも含めて見極めたい一戦。素材はGIで走れる馬ですから」(福永)

 既成勢力を打ち破る新星の出現を、個人的には大いに望みたいサマーシリーズ終盤である。

(美浦の宴会野郎・山村隆司)

東京スポーツ

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