「札幌2歳S・G3」(9月1日、札幌)
レコードVの余勢を駆ってタイトル奪取だ。
ウィクトーリアが29日、札幌芝で熱のこもった3頭併せを敢行。横一線でフィニッシュしたが、抑え切れないほどの手応えで鞍上をうならせた。札幌ダートでは、
クラージュゲリエが併せ馬で軽快な動きを披露。兄
プロフェット(15年2着)のリベンジに、素質あふれる弟が態勢を整えた。
レコードで完勝したデビュー戦の再現なるか-。
ウィクトーリアは札幌芝で3頭併せ。気合の入った最終リハを敢行した。
同じ札幌2歳S出走予定の
ナンヨーイザヨイ、
すずらん賞(日曜10R)出走予定の
イッツクールを追いかける形でスタート。3頭が2馬身ずつ間隔を取った最後方でピタッと折り合う。直線に向いて外へ持ち出すと、馬なりのまま加速しラスト1Fは12秒7(全体は5F67秒7)。3頭が馬体を並べてゴール板を駆け抜けた。
手綱を取った田辺は「逃げて勝っているので、そうならなかった時を想定して馬の後ろから行った。我慢できていたし、直線はいい反応でした。こっちがセーブしないと、どこまでも行っちゃいそうな感じだった」と動きに合格点を与えた。
自身にとっては、14年に半兄
ブライトエンブレムで制した験のいい舞台。「動きは新馬前よりしっかりしてきたし、ポンと行ければ一番いいかな」と兄に続くVを期待する。
初戦は函館までの輸送で熱発。体調面に不安を残しながらの完勝劇だった。「血統から期待はしていたが、追い切りが一本足りない状態であの勝ち方。周りからのハードルが上がった感じもするが、前走後は牧場と連携しながらケアしたので、反動もありません。追い切り後の息遣いも良かった」と小島師は太鼓判を押す。
母ブラックエンブレムは、08年
秋華賞で厩舎にG1初勝利をもたらしたゆかりの血統。兄に続く兄妹制覇で、来春のクラシック戦線へ希望をつなげる。
提供:デイリースポーツ