今週の栗東は9月4日に台風21号が直撃。滋賀県を含む、関西地方で大きな被害が出ているが、トレセンでも木が折れるなど被害はあったものの、調教に支障をきたすことはなく、普段と同じ時間に馬場開場、閉場というスケジュールだった。
6日は台風一過の影響もあってか、調教開始時刻がかなり涼しくなっている。調教終了後も曇ると暑さはやわらいでおり、暑さはマシになっているのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
5日。前日にかなりの雨量があり、ウッドチップ馬場はかなり水分を含んでいた。一番時計は
タガノグルナ(栗東・
大根田裕之厩舎)の4F50.4秒。4F50秒台はこの1頭で、4F51秒台の頭数も少ない。
2回目のハローだが、ハロー車のスピードが速く、表面だけサラッとしか整地されていない印象。だからなのか、開門直後でも時計を要する馬が多く、朝一番や1回目のハロー明けに比べて走りにくい馬場だったと思われる。
6日。一番時計は
セントウルS(9月9日・阪神芝1200m)に出走予定の
ネロ(栗東・
森秀行厩舎)が4F49.4秒。馬場状態は前日と変わらない印象だが、この馬自身は50秒切りの常連だけに、この時計は個別評価ということでよいだろう。
同じく
セントウルSを予定している
ファインニードル(栗東・
高橋義忠厩舎)の最終追い切りに関しては別ニュースでお伝えしたが、同じ時間帯に追い切ったのが、
神戸新聞杯(9月23日・阪神芝2400m)の出走を予定している同厩舎の
メイショウテッコン。
ララベスラーナを追いかける内容だったが、相手がテンから速いラップで引っ張っていったこともあり、その差がほぼ詰まることなくゴールしたという感じ。それでも時計は4F52.0〜3F37.7〜2F24.7〜1F12.4秒と速く、2週前追い切りとしてはしっかりと負荷をかけられたのではないだろうか。
先週の馬場差は「-0.1秒」。今週は台風の影響を受けて、ウッドチップ馬場はかなり重たくなっている。全体的な時計の出方を見てもそれを感じるだけに、馬場差は5日、6日ともに『+0.5秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
5日。雨の影響を受けているはずだが、時計の出方を見ると、坂路馬場ほど走りにくいという印象はない。むしろウッドチップの下地が適度なクッションになり、時計が出ている印象すらある。
6Fの一番時計をマークした
キアロスクーロ(栗東・
安達昭夫厩舎)は調教馬場閉場に近い時間帯での単走。テンから時計を出す気満々で飛ばしていったので、最後は止まると思われたが、道中の勢いそのままにゴール。最後の直線での表情はやる気に満ち溢れており、かなり意味のある追い切りになったように思う。時計は6F77.4〜5F63.3〜4F50.1〜3F37.6〜1F12.3秒と全体も終いも速い数字。
6日。朝一番に
セントウルSの最終追い切りを行った
ダイアナヘイロー(栗東・
大根田裕之厩舎)。馬場入り時は感じなかったが、1コーナーを回ったあたりでかなり速いラップだと思い、7F標識から
ストップウォッチを押したが、ここから6F標識までは14.8秒。向正面に入ってもぐんぐんと加速していき、3コーナーでは前方を走っていた
池江泰寿厩舎の3頭併せを内から追い抜いていく。
このままゴールすれば、えらいことになると思われたが、さすがに最後の1Fで失速して、一度追い抜いた3頭併せにゴールでは追い抜かれてしまった。時計は7F90.7〜6F75.9〜5F62.9〜4F50.6〜3F38.2〜1F13.4秒。数字は文句なしの一番時計だが、この追い切りをどう捉えるか。近走成績から一変するために、刺激を与えたと思えば、今回は
阪急杯のようなレースが考えられるがどうだろうか。
先週の馬場差は「-0.1秒」。雨が降ったことを思えば、先週よりも時計を要する馬場差が適当だが、全体的な時計の出方を見ると、先週よりは数字が出ている。よって、今週の馬場差は5日、6日とも『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は前日の雨の影響もあり、5日の追い切りは20頭近くいた。そのため、芝馬場は大きく掘れ、走る場所を選ばないといけないような状態になっている。今週の
紫苑S(9月8日・中山芝2000m)から
ローズS(9月16日・阪神芝1800m)に出走予定を変更した
フィニフティ(栗東・
藤原英昭厩舎)だが、その動きは素晴らしく感じられた。馬場差は雨の影響を受けているので『+1.0秒』で記録している。
今週のポリトラック馬場の追い切り頭数は先週とほぼ同じ。馬場状態はずっと変わりなく、今週の馬場差も先週と同じ『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)