「
神戸新聞杯・G2」(23日、阪神)
春のクラシックタイトルを分け合った両雄が秋初戦で激突する。ダービー馬
ワグネリアンは栗東坂路で単走追い。落馬負傷の福永の代打騎乗となる藤岡康を背に、力強い動きを披露した。
皐月賞馬
エポカドーロは栗東芝で併せ馬。こちらも上々の仕上がりで秋初戦に臨む。
秋初戦を迎えるダービー馬
ワグネリアンの注目の鞍上が決まった。主戦の福永が16日の阪神6Rで落馬し、頭蓋骨骨折、気脳症と診断され、今週、来週末の騎乗を取りやめ。そのため藤岡康とコンビを組むことが、19日朝に決定した。友道師は「調教で一番乗ってくれているジョッキーなので。ダービーの(1週前)追い切りも乗っていたから、コータのおかげで勝てたのもある」と経緯を説明。その背をよく知る男に白羽の矢が立った。
19日に単走で行われた栗東坂路での最終追いでも、感触を確かめた。力強く四肢を伸ばすと、馬なりで4F53秒6-39秒1-11秒9をマーク。藤岡康は「春に乗せてもらった時よりもすごく成長している。ハミの取り方や、取った時の
バランス。体の使い方が良くなったし、テンションも上がっていない。“ダービー馬”ですからね」とうなずいた。
「予定通り」。動きを見守った友道師も納得の表情。夏を越して、ダービー馬がさらに成長した。「歩いて馬場入りができたように落ち着きがあるのがいい。春はそんなことができなかった。ようやく大人になったかなと思う」と目を細める。精神面だけではない。「パワーがついた。前のめりだったのが、トモがしっかりとして後ろに力がついた分、乗りやすくなった」と心身ともにレベルアップしたことを強調した。
今後を占う大事な一戦だ。「そりゃ、勝ってほしい。いい状態だし、普通に走ればと思う」。そう言ってトレーナーが信頼すると、代打騎乗の鞍上も「大事な秋の始動戦ですし、内容も結果も求められるレース。期待に応えたい」と責務を果たせるよう自らを鼓舞する。
北海道胆振東部地震の影響で安楽死となった
母ミスアンコールの思い、そして騎乗ができない福永の無念。さまざまな思いを背負い、ダービー馬が出陣する。
提供:デイリースポーツ