多くの馬たちが2歳か3歳前半までに競走馬となり、激しいレースや調教を経験していきます。そして、そんな毎日を積み重ねるたびに、彼らの経験は血となり肉となり競走馬らしいからだを創り上げていきます。
もちろん、顔つきも変わりますね。今回、
毎日王冠の取材を通じて
カツジをじっくりと拝見しましたが…。かつて見せていたあどけない表情や人懐こい仕草はなく、すっかり大人の男になっていました。
「落ち着いていて、精神的にひとまわり成長した」と池添師はこの成長を誉めていましたね。わたしももちろん、
カツジのこの成長をとても嬉しく思います。しかし、カメラを向けるとホイホイと近づきすぎるくらい寄っていた
カツジではなくなったことにちょっとだけ寂しい気持ちも覚えます。
でも、NHKマイルで少しテンションが高くなってしまって出遅れたことを思うと、今のように精神的にドッシリしてきたのは
カツジにとってとても良いことだと思います。
ここまでの調整も予定どおり。8月に函館競馬場に入ってゲート練習もしたし、追い切りも1週前にしっかりやって競馬当該週はサラッとやるという
スタイルも崩れていません。折り合いもいいかんじでついていますね。
「操縦性は変わらずいいし、状態もいい。初の古馬相手で相手も揃ったが、自分らしい競馬をしてくれれば」と担当の土屋助手。前売りオッズを見ると8番人気ですが、これにニヤッとしたのはわたしだけではないはず!大人になった
カツジを侮ってはいけませんよ!
(取材・文:花岡貴子)