今週の栗東は16日が厩舎従業員レクレーションのため、全休日となり、17日の水曜日が全休明けなので、追い切りは少なめ。よって、追い切りは18日の木曜日に集中している。
気温は18日の調教開始時刻が10℃。かなり肌寒くなっており、冬毛が生えるようになった馬も出てきている。人間でも体調管理の難しい季節だが、馬も同様で追い切りの時点では調子が良くても、輸送することで体調が変化することもあるようなので注意したい。
【坂路/4F51.9秒】
17日。一番時計は
エンゲルヘン(栗東・五十嵐忠男厩舎)の4F51.0秒。4F51秒台は20頭ほどだったが、追い切り頭数を考えると、ある程度時計が出やすい馬場状態だったと考えてよいだろう。
とはいえ、素晴らしい動きを見せたのが
レッドアヴァンセ(栗東・
音無秀孝厩舎)。
富士S(10月20日・東京芝1600m)に出走するため、休日返上で16日に調整を行い、この日に備えていたが、時計は4F51.4〜3F37.3〜2F24.0〜1F11.9秒。全体が速い時計でありながら、ラストは12秒を切る伸び。手応えには余裕があって、まだまだ伸びていきそうな感じ。休み明けになるが、そんな印象は全くない。
18日。一番時計は4F50.9秒が4頭。時計が出た時間帯は朝一番の開門直後、1回目のハロー終了後、2回目のハロー終了後と走りやすい時間帯に集中している。4F51秒台の頭数も非常に多く、その中には2歳新馬が何頭かいただけに、先週と比べてもかなり走りやすい馬場ということでよいだろう。
先週11日の馬場差は「+0.8秒」。かなり時計を要する状態だった先週に比べると、好天が続いていることもあって、今週は時計が出やすい、走りやすい馬場。よって、馬場差は17日、18日とも『-0.3秒』で記録することにした。
【CW/5F66.0秒】
17日。先週の時点で基準時計よりも数字が出る馬場になっていたCコース。今週はそれ以上に時計が出やすくなっている印象を受けた。
18日。前日同様、走りやすい馬場状態は間違いない。とはいえ、素晴らしい動きを見せたのが
友道康夫厩舎の2歳2頭。
まずは
アルテミスS(10月27日・東京芝1600m)の出走を予定している
ビーチサンバ。レースでも騎乗予定の
藤岡康太騎手が跨り、道中は前走よりも弾むようなフットワークになってきた。前に2頭いて、それを追いかけていたが、並ぶ間もなく抜き去って、楽々と先着のゴール。時計は6F82.8〜5F67.7〜4F52.9〜3F38.3〜1F11.7秒と数字は平凡だが、ラストの伸びは迫力十分といった感じ。
その後、1回目のハローが終了して、しばらくした時間に単走で追い切ったのが、
デイリー杯2歳S(11月10日・京都芝1600m)を予定している
アドマイヤマーズ。こちらは先週栗東へ帰厩したばかりだが、走りの安定感が半端ない。本当に完成度が高く、その動きを見ているとG1を意識せずにはいられない。
時計は6F84.1〜5F69.5〜4F54.7〜3F40.4〜1F12.6秒と、それこそ数字は平凡だが、走っている時に重心にブレがないところが素晴らしい。まだ時間がある状態でこの動きだから、レースが近くなってきたら、どんな動きを見せるか想像するだけでワクワクしてくる。
先週の馬場差は「-0.5秒」。今週はそれ以上に時計の出やすい馬場であることは間違いない。よって、今週の馬場差は、17日も18日も『-1.0秒』で記録することにした。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場で18日に追い切りを1組確認した。芝の状態は好天が続いていることもあり、走りやすい印象。よって馬場差は『±0.0秒』で記録している。
最近は追い切り頭数が多かったポリトラックだが、ここ2週はかなり追い切り頭数は落ち着いた。今週の馬場差も先週と同じ『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)