天皇賞(秋)は例年Bコース開幕週で行われるので、どのコースを通れば一番伸びるか把握することが第一のポイントになります。また、言わずもがな東京2000mはスタート直後にコーナーがあるので、ポジション取りが非常に重要。もちろん、内目の枠を引いた馬が有利となる場合も多いですが、意外と先行馬に関しては内枠だと外から被されるリスクもあるので、折り合いを気にしながらジワっと行ける外枠の方がプラスになる場合も。一方、内枠の差し馬は一旦後ろに下げて外に出す競馬になるので展開次第ではやや厳しいレースも。ワンターンの2000m戦なので、他の競馬場よりも全頭のポジショニングやペースを的確に読む必要が出てくるコースです。
そして、今年のレースで最も気になる点は逃げ馬が不在であること。その一点に尽きます。このメンバーだとスローペースは確実。今の東京の高速馬場を加味しても1000m通過は62秒もしくは63秒台まで落ちても不思議ではありません。ただ、極端に遅い展開となったとしても、4角で一団となるのか。それとも、
毎日王冠のようにややバラけた形で直線を迎えるのか。これは逃げた馬の騎手の乗り方、2番手の馬のプレッシャーの掛け具合、当日の馬場、土日の天候によって変化します。4角一団ならば、例年の外伸び馬場で差し馬にもチャンスが。
毎日王冠のようなやや縦長の形になれば前残りに。そのあたりは枠の並びや土日のレースを見ながら詰めていく必要があるでしょう。
ただ、スローペースになることは間違いありません。そういった展開ではどういった形になったとしても、まずは極端に早い上がりを使えない馬を買ってはいけないということです。その例としてわかりやすいのは、
ミッキーロケットです。
宝塚記念は1000m59秒4と戦前の予想より速い流れになり、この馬向きのレースとなりました。しかし、今回はとにかく前回とは真逆の瞬発力が問われる一戦になることが予想されます。確かに、過去に緩い流れとなった
京都記念や
大阪杯でも善戦していますが、スローの競馬だとGIではワンパンチ足りません。このようなクセのある馬は、条件や展開に合わせて評価を逐一変えることが大切です。
やはり、こういったレースでは自在性があること。そして、東京コースにも対応できる瞬発力を兼ね備えていること。この2つさえクリアできれば枠や馬場において多少の不利があっても勝ち負けできます。そういった意味では、上位人気に支持されている
スワーヴリチャードや
レイデオロ、
アルアインは条件を満たしているといえるでしょう。上記の3頭が大きく崩れるということは、昨年のような不良馬場にならない限りは考えにくいと思います。
ただし、筆者の狙いとしては4角一団の競馬でチャンスのある
ブラックムーンです。確かに、過去の走りを見てもやや力が足りない部分もあります。ただ、
アルアイン騎乗の
北村友一騎手が極端に溜めて逃げる形で4角一団となれば、力関係云々よりも切れ味のある馬が優勢。2000mもとくに問題なさそうで、道中は最後方から運び直線大外に出せれば、馬場の恩恵も受けてこの馬の長所を最大限に生かす競馬ができそうです。
米子Sや
キャピタルSで見せた瞬発力から、舞台が整ったここならば躍進可能。本来は回避した
ディアドラや
ワグネリアンを推したいところでしたが、他に見当たらないので大穴のこの馬を2、3着に絡めて狙います。仮に、
レイデオロと
スワーヴリチャードで決まったとしても、この馬が絡めば美味しい配当が期待できるでしょう。
(文=倉本匠馬)
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