京都ダート1900mを舞台とする第18回
JBCクラシックのゲートがあいた。
クリストフ・ルメールが乗る1番人気の
サンライズソアが4番枠から好スタートを切った。すぐ内の3番から「大井の帝王」
的場文男を背にした
シュテルングランツも先頭をうかがう勢いだ。
同様にポンとゲートを出た
岩田康誠の
テーオーエナジーが外から切れ込んできて
サンライズソアに並びかけ、正面スタンド前を駆け抜けて行く。さらに
テイエムジンソクも先行集団に加わり、ペースは自然と速くなる。
3番人気の
ケイティブレイブは、鞍上の
福永祐一が軽く促すようにしながら馬群のなかの8番手を進んだ。
「思ったより前が速くて置かれる形になりましたが、ああいう形でもGIを勝っているので、まったく心配しませんでした。自信を持って、この馬のリズムを守ることを第一に考えて騎乗しました」
主に、逃げたり、2、3番手の競馬で結果を出してきた馬だが、福永は、過去12戦つづけて騎乗してきただけあって、この馬での勝ち方を知っている。彼が「ああいう形でも勝っている」と言ったGIは、コンビ3戦目となった昨年の
帝王賞だろう。
14番枠から出た2番人気の3歳馬
オメガパフュームは、すぐ右斜め前に
ケイティブレイブを見る位置で折り合いをつけている。
向正面に入り、1000m通過は1分1秒0。
ケイティブレイブは先頭から10馬身ほど離れた中団で、
オメガパフュームはそのすぐ後ろにいる。
内の
サンライズソアと外の
テイエムジンソクが馬体を併せて3、4コーナーを回り、直線へ。
ルメールの
サンライズソアが後ろを突き放しにかかる。満を持してスパートした福永の
ケイティブレイブが馬場の真ん中から一気に差を詰める。
ラスト200m地点では
サンライズソアがまだ先頭だったが、ラスト100mほどで外から
ケイティブレイブがかわし、先頭でフィニッシュ。道中この馬をマークするように走っていた
オメガパフュームが鋭く追い込み、3/4馬身差の2着に来た。
「ルメールが前にいたので早めにつかまえに言って、そのぶん最後はきわどくなってしまいました」と福永。
騎乗馬のリズムを大切にしながら、「この馬を負かすことが自分の勝利につながる」という相手をキッチリ差し切った、見事な騎乗であった。
オメガパフュームは、4コーナーでやや
ケイティブレイブに離され、前にいた
オールブラッシュの外を回すことになり、
ケイティブレイブに併せる形に持ち込むことはできなかったが、力は示した。
(文:島田明宏)