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アブソルティスモ スケールが違う 藤沢和師「2歳のうちは負けない」/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2019年05月29日(水) 18時00分
 3歳世代の頂点を決める日本ダービーロジャーバローズの優勝で幕を閉じ、競馬サークルにとっての“新しい年”がまた始まる。2012年からダービー終了の翌週に次世代の新馬戦がスタートするようになり、当欄でも“早期デビューの重要性”には幾度となく触れてきた。

 15年メジャーエンブレム、16年アエロリット、17年ダノンプレミアム、ケイアイノーテック、そして昨年はグランアレグリアサートゥルナーリアと4年連続で3回東京、または3回阪神でデビュー勝ちした馬が翌春までにGIタイトルを手にした。POGドラフト会議は今週がピーク。今年の2歳馬戦略も、やはり早期化傾向は無視できないことを改めて強調しておきたい。

 さて、東京の開幕週の新馬戦は計3鞍。特に昨年、グランアレグリアが制した2日目の芝1600メートルは、一昨年もステルヴィオが勝った注目度ナンバーワンの番組だ。ノーザンファームの生産馬で鞍上はルメールなのが共通項。同日に安田記念が行われるため、トップ騎手を確保しやすい状況も有力馬が集まる下地になっている。

 この将来が約束されたも同然の舞台に、トップ騎手の最高峰ルメールとのコンビで“出走権”を得たのが、グランアレグリアと同じ藤沢和厩舎のアブソルティスモ(牡=父ダイワメジャー母ラドラーダ)だ。今月3日に臨んだ初めてのゲート試験で不合格になり、周囲に不穏な空気が流れたこともあったが、24日の2度目の試験で合格し、出走の運びとなった。

 ご存じ、兄に日本ダービーレイデオロがいる血統。父がキングカメハメハから、4歳上のティソーナと同じダイワメジャーに替わってどうかという声もあるが、ひと言で済ますなら「この馬はスケールが違う」。それは藤沢和厩舎の調教助手それぞれが独自の表現ながらも、そのすごさを表現してくれたことで確信した。

「ヤバい。動きが真っすぐでブレない。新馬戦は(騎手を)引きずってでも勝つんじゃないか」と感嘆の声を漏らしたのは、元道営の騎手でもある千島助手。ちなみに、これは4月下旬の発言。すなわち、まだ速い追い切り等を課す前の話だ。

 続いては最初のゲート試験で不合格になった際の津曲助手のセリフで「“天才と狂気は紙一重”って言うじゃないですか。そもそもウチの厩舎じゃなければ、競走馬になれてないですよ」

 千島助手の“引きずってでも――”同様、言葉の詳細な意味はともかく、すごみが伝わってくる表現であり、かつ名門厩舎を支えてきたスタッフとしての自負がにじみ出ている。その津曲助手は自身の騎乗で臨んだ2度目のゲート試験に合格後、「大丈夫。問題ない」と言い切ってくれた。

 そして3人目の大江原助手は、同じく近々デビュー予定の別の2歳馬を高く評価した上で、「でも、この馬は背中が違い過ぎるんです」と飛び抜けた素質の違いを強調した。

 初戦からどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、早くもヒートアップしているアブソルティスモの周囲。もちろん、総帥の藤沢和調教師も「相当なものだよ。(適)距離はマイルくらいかもしれないが、2歳のうちは負けないだろう。今年もズバッと行きますか」と、にっこり笑ってVサイン

 POG、ましてや牡馬の指名馬となれば、やはり“ダービーを狙える馬”が最大の醍醐味だが、そこを理解した上で「ドラ1候補」に迷わず、このアブソルティスモをオススメしたい。

(立川敬太)

東京スポーツ

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