先週は8月4日の小倉芝1800mでフルゲート16頭に対して、2頭が除外。そのうちの1頭、
アルジャンナ(栗東・
池江泰寿厩舎)は出走すれば、断然人気も予想された注目馬だった。同じ開催日だった昨年もフルゲート(除外なし)だったので、今年はそれよりも2頭多かっただけという見方ができるかも知れない。
ただ、栗東に入厩する2歳新馬は例年よりもハイペース。ゼッケン番号は、すでに1000番台を超えている。毎年、1000番台を超える時期は前倒しされているが、今年はこれまでの比にならないくらい早い。この状況は明らかに「スーパー未勝利」が廃止になった影響が大きいと思われる。
今後も例年とは少し違った新馬の出走状況ということになってきそうだし、それに伴って、2歳未勝利の状況にも変化が出てくるだろう。
【8月10日(土) 小倉ダート1700m】
◆
エールオンレール(牝、父
エピファネイア、
母アンナヴァン、栗東・
武英智厩舎)
母系に芝で4勝を挙げ、今年の
新潟大賞典では3着と重賞でも実績を残した
ロシュフォール(
父キングカメハメハ)がいる血統。父
エピファネイアは今年の2歳が初年度産駒になるが、7月28日までの時点で4頭が新馬勝ちしている。
本馬は4月19日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、4月26日のゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、7月18日に栗東へ再入厩した。その翌週に芝馬場で追い切った動きは今ひとつだったが、8月1日のCWでは、レースで騎乗予定の
斎藤新騎手が跨って、外から新馬を楽に追い抜いていく動き。6F83.2秒はさほど強調する時計ではないが、ラスト1F12.2秒はまずます。今週の最終追い切りでは更に動けるのではないだろうか。
【8月11日(日) 小倉芝1200m】
◆
ソニックベガ(牝、父
ルーラーシップ、
母モンローブロンド、栗東・
斉藤崇史厩舎)
ハービンジャー産駒の
サーブルオールは芝1600m以上の距離で5勝を挙げているが、
キングカメハメハ産駒の半姉
ビキニブロンドは芝1200mで4勝という実績を残した。本馬に関しては
斉藤崇史調教師が「前向きな気性なので」ということで、ス
プリント戦でのデビューとなる。
7月31日にはレースで騎乗予定の
北村友一騎手が跨って、坂路での併せ馬。1勝クラスを追いかけてきっちり先着し、4F52.7秒をマーク。8月2日には芝馬場での走りを確かめるキャンターを行い、ゲート練習も行っている。初戦に向けての調教内容としては、ほぼ万全といってよいだろう。
【8月11日(日) 札幌芝2000m】
◆
エカテリンブルク(牡、
父ブラックタイド、
母ファイナルスコア、栗東・
友道康夫厩舎)
2018年セレクトセール1歳にて、1億4000万円の高額取引された
ブラックタイド産駒。半姉に今年の
チューリップ賞3着だった
ノーブルスコア(
父ディープインパクト)がいる。
5月17日にノーザンF天栄から栗東へ入厩し、ゲート試験に合格すると放牧へ。それから函館競馬場へ入厩し、追い切りを進めているというのが現状。函館競馬場でその姿を確認したが、黒光りする馬体(毛色は青鹿毛)は本当に見映えする。ただ、小回りの函館Wでは全力で走り切ることができないといった感じで、対応するのに苦労しているように見えた。それでも徐々に慣れてきたのか、7月31日の函館Wでは
アドマイヤユラナスを追いかけて先着する動きを見せている。鞍上は
武豊騎手が予定されている。
◆
ジョーアドヴァンス(牡、父
エイシンフラッシュ、
母アガペー、栗東・
中竹和也厩舎)
おじに
スプリングS、
毎日王冠を勝った
アリゼオ(
父シンボリクリスエス)がいる血統で、2018年北海道サマーセールで400万円で落札されている。
本馬については「育成場での評判が良かったけど、こっちへ入厩しても乗り手の評価は高いですね」と
中竹和也調教師。栗東でゲート試験に合格した後、函館競馬場へ移動しているので、追い切り本数はあまり多くないが、7月31日の函館Wでもしっかり動けたとのこと。
(取材・文:井内利彰)