今週の栗東は蒸し暑い。1日の夕方には突然の雷雨でトレセンの気温計が故障してしまった。雨の影響はウッドチップ馬場にもあり、坂路、Cコースともに多少なりの変化があった。
また、坂路馬場は先週末からウッドチップの入れ替え工事が行われている。先週はスタート地点から行われており、200m付近のところまでが終了。今週は木曜日から再び工事が行われていく予定となっている。
【坂路/4F51.9秒】
10月2日。一番時計は
メイショウオニテ(栗東・
石橋守厩舎)の4F49.9秒。50秒を切ったのはこの馬しかいないのは先週と同じ。ただ、4F50秒台の頭数は5頭しかおらず、これは先週の半分以下。4F51秒台の頭数も少なくなっており、馬場としては雨の影響を受けて、時計を要する状態と考えてよい。
ただ、4F目に11秒台をマークしたのは9頭いたので、極端に時計を要するというわけではない。テンをゆっくり入れば、終いしっかり伸びるのだが、テンから14.2秒のラップを踏みながら、最後は楽に11.9秒だったのが
モズアスコット(栗東・
矢作芳人厩舎)。先週が4F49.8秒の一番時計がマークしているが、この追い切りの効果で今週は素軽く動けている。
10月3日。一番時計は
ダンツゴウユウ(栗東・
谷潔厩舎)の4F51.0秒。追い切り頭数の違いで、前日よりも遅い一番時計となったが、馬場状態としてはあまり大きな変化はない。
先週の馬場差は「-0.4秒」。馬場状態としては先週も今週もさほど変わりないはずだが、時計自体は今週の方が速い数字が目立つ。そのあたりも考慮して、今週の馬場差は先週より少し速い『-0.6秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
10月2日。馬場造園課の方の話によると、ウッドチップがかなり細かくなっているとのこと。そこに1日の雨が影響して、2日、3日ともに時計を要する馬場状態になっている。かといって、基準時計よりも遅いわけではないので、速かった時計が落ち着いてきたという見方もできる。
前走
ローズS後から栗東に滞在している
シャドウディーヴァ(美浦・
斎藤誠厩舎)が朝一番に安田隆行厩舎の
トウカイオルデンと併せ馬。先行していたこともあるが、道中から動きに余裕がある感じで、相手を寄せ付けることなく先着。時計は6F81.3〜5F66.4〜4F52.1〜3F38.3〜1F12.2秒と速く、前走をひと叩きしての上昇度は感じる。
10月3日。馬場状態としては前日とほぼ変わりない。その中で素晴らしい動きを見せたのが、オ
パールS(10月14日・京都芝1200m)の出走を予定している
ミラアイトーン(栗東・
池江泰寿厩舎)。
いつものごとく、馬の少なくなった時間帯を見計らって、単走での追い切り。すでに馬場入りはスムーズになっていて、道中の走りも
リラックスしている。それでいて、一完歩の力強さは増しており、今回も見ていて気持ちよくなるような走り。ただ、動き自体は
北九州記念の1週前追い切りよりは緩さも感じたのだが、それでも時計は6F81.7〜5F66.7〜4F52.2〜3F38.0〜1F11.5秒。やはりポテンシャルの高さはGI級だと思うし、仕切り直しのオープン特別できっちり結果を出して欲しい。
先週の馬場差は26日が「-0.5秒」。これに比べると、今週は少し時計を要する状態。よって、今週の馬場差は2日、3日とも『-0.3秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は雨の影響もあって、追い切りでの使用頭数が多かった。馬場自体は芝の塊が飛ぶような状況だったが、極端に緩いわけでもなく、適度な走りやすさといった感じがする。よって、今週の馬場差は先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は雨の影響があったのか、追い切り頭数が大幅に増えた。時計を見てもらえば分かるのだが、5F65秒台なら1F12秒台と、ウッドチップとほぼ同じような時計の出方。テンをかなりゆっくり入らないと、1F11秒前半の時計は出ておらず、入れ替えによる適度な負荷が出ている馬場状態と思ってよい。今週の馬場差も先週と同じ『±0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)