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外国馬が創設以来初の参戦なし 「受け入れる態勢」をつくることがジャパンC復権の第一歩になるのでは/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2019年11月22日(金) 18時31分
 香港情勢が不透明にもかかわらず、遠征回避を選択する日本馬は出ていない。本当に開催されるのか? また中止になった場合は「翌日の月曜か、もしくは次週の日曜に順延するらしい」なんて噂も出てきている。

 そうなった場合、朝日杯FSとバッティングするジョッキーはどちらを選択する?そんな余計な心配をするくらいなら、「いっそのこと、阪神競馬場で香港の4競走をやったらいいのに…」なんてムチャクチャなことを言い出す関係者まで出てくる始末だ。

 まあ、確かに阪神での開催は魅力だよな…と感じてしまうのは「国際招待」と派手にうたっておきながら、外国の関係者に見向きもされなくなってしまったジャパンCの現状が影響しているのかもしれない。

 他の記者がどう考えているかは知らないが、東京競馬場の近辺で青春時代を過ごした記者にとって、ジャパンCこそが日本競馬の最高峰であり、ジャパンCの公開調教は年に一度の楽しみでもあった。それがどうしてこんな状況になってしまったのか?

 確かに日本の馬場は硬過ぎるのかもしれないし、日本馬は強過ぎるのかもしれない。しかし、アーモンドアイが出走する香港Cディアドラなどが出走する香港ヴァーズに比べたら、今年はジャパンCのほうがチャンスは大きいように思える。それでも日本馬は海を渡り、外国馬はやって来ない。

 香港情勢の不確かな今年は、米国のブリーダーズC、もしくはメルボルンCなどの豪州競馬で打ち止め。欧州勢の多くはそう考えてもいるようだ。なぜだろう? 日本はこんなにもセーフティーなのに…。

 硬い馬場はもちろんだが、検疫の問題も大きいそうだ。しかし、日本と同じように検疫が厳しいと噂のオーストラリアには遠征する外国馬が少なくない。

 今秋、リスグラシューの遠征に同行した岡助手は「人間に関してはそうかもしれませんけど、馬に関しては特別に厳しいとは思いませんでしたけどね。確かに検疫場所の競馬場は広くはなかったけど、それはどこも似たようなものだし、調整しにくいとも感じなかった。オーストラリアはどこもこんなものなんだろうなと思ってました」。

 つまり不平等と感じなければ、文句も出てこない。実はこれが重要なポイントではないか。

 欧州に日本馬が遠征するとき、多くの関係者が調教施設の充実を口にするが、それは現地にいる馬たちと変わらない施設を自由に使わせてもらっているからこそ、出てくるコメントだ。では、日本に来日する外国馬は?

 検疫のため競馬学校に入り、その後は東京競馬場に移動しての調整。強い日本馬は施設の充実したトレセンで調教をしているのに、外国馬は選択肢の非常に少ない調整を強いられる。

「競馬法とか、いろいろなことを変えていかなくちゃいけないんだろうけど、外国馬にもトレセンでの着地検疫とトレセン施設の使用を許可してあげたらいいのにね」と言う関係者も。それでも来日しないのであれば、それはアチラさんの都合。

 まずは「受け入れる態勢」をつくることがジャパンC復権の第一歩になると思うのだが、どうだろうか?

 外国馬に見向きもされなくても、ジャパンCの1着賞金は3億円。その馬券の話も少しだけ。

 次週のチャンピオンズCで人気を背負うクリソベリルを担当している浜田助手が「来週のほうがメンバーが濃いような気もするのに、来週の賞金よりも3倍も多いんだからね。もしかして…があるんじゃないか。今、ものすごく具合がいいんだ」と何げに意欲を見せているダンビュライト

 この馬の逃げ切りは穴で狙ってみてもいいと思っている。

(栗東の本紙野郎・松浪大樹)

東京スポーツ

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