秋のGI戦線を目標とする牝馬にとって重要な
ステップレースで、例年であれば札幌競馬場で行われてきたが、今年は開催日程の変更によって函館競馬場で行われることになった。函館競馬場で
クイーンSが行われるのは2013年以来のこと。札幌競馬場の開幕週、開幕2週目に行われるレースと、開催を重ねられた函館競馬場で行われるレースでは特性が異なるのは当然の話だが、限定競走の別定戦だけに実力馬に有利なレースだ。
◎
マジックキャッスルは
愛知杯の優勝馬で、
秋華賞2着。前走の
ヴィクトリアマイルは最後の直線で1度は2番手に上がるなどの見せ場を作って3着。前々走の
阪神牝馬Sも最後の直線で前が壁になって追い出しを待たざるを得ないようなシーンがあったが、それでもゴール前で狭いところをこじ開けるように伸びて2着。
馬格に恵まれているわけではないが、馬込みの中で競馬ができるのが強みで、最後まで集中力を切らさずにしっかりと伸びる。
秋華賞や
愛知杯のように早めに押し上げる競馬もできるのであれば、小回りの競馬場にも十分に対応してくれることだろう。
〇
シゲルピンクダイヤは一昨年の
桜花賞2着、
秋華賞3着。使える脚が短いためになかなか勝ち切ることができないが、その実績は現役でも屈指だ。まだ完全には信頼できないものの、以前に比べればゲートの不安も少なくなり、レースに幅が持てるようになってきた。
昨年暮れの
中日新聞杯は、好位追走から最後の直線で1度は先頭に立って2着。
愛知杯は逃げ、先行馬を捕まえに行く役割となって粘りを欠いたが、
福島牝馬Sは7着とはいえ最後は外にモタれながらも0.2秒差まで追い上げ、
ヴィクトリアマイルは2着馬とは0.1秒差5着。どちらかといえば右回りのほうが競馬をしやすい印象で、連勝馬券の軸にするにはこちらか。
▲
ドナアトラエンテは
福島牝馬S2着。やや人気先行型の馬ではあるが、デビュー時から40キロも馬体が増えて、たくましさを身に付けてきた。重賞初挑戦となった
中山牝馬Sは不良馬場に脚を取られて力を発揮できなかったが、前走の
福島牝馬Sはじっくりと脚をため、最後は瞬発力に賭けたがハナ差2着。重賞タイトルに手が届くところまできた。このレースがもう一皮むけるきっかけになってほしい1頭だ。
△
テルツェットはダービー卿CTの優勝馬。昨年8月の1勝クラスから4連勝で重賞制覇という離れ業をやってのけた。さすがに
ヴィクトリアマイルは相手が強かったようだが、よい経験になったはず。巻き返しは十分に期待できる。
△
ウインマイティーは、
忘れな草賞の勝ち馬で
オークス3着。近走の成績は褒められるものではないが、リフレッシュ効果に期待。最後に、前走の勝ちタイムが翌日に行われた
巴賞よりも速かった△
サトノセシルの名前をあげておきたい。