5月28日(日)に東京競馬場で行われる
日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。
横山武史騎手が
ソールオリエンスと2年前の雪辱を果たすか注目したい。
2年前の
日本ダービー。横山武騎手がタッグを組んだのは
エフフォーリアだった。同馬は20年8月に札幌競馬場でデビュー。初陣を白星で飾ると、翌年2月の
共同通信杯で重賞初制覇を果たした。残り200mから先頭に立ち、
ヴィクティファルスや
シャフリヤールらを全く寄せ付けぬ2馬身半差の快勝。名うての出世レースを好内容で制した。
無敗の重賞ウイナーとなり、
エフフォーリアの評価は急上昇。同馬と横山武騎手のコンビは、期待に応え
皐月賞で圧巻のパフォーマンスを見せる。道中は内の3、4番手を追走。直線を向き追い出した瞬間、「勝負あった」といわんばかりの切れ味を披露して3馬身差を付けた。横山武騎手にとって初GI。新進気鋭の若武者にダービージョッキーのチャンスが巡ってきた。
■熱戦のダービー、ハナ差の結末は
21年の
日本ダービーには牝馬
サトノレイナスや
毎日杯覇者
シャフリヤール、同2着の
グレートマジシャンなど強者が揃う。それでも
エフフォーリアは1枠1番という絶好枠を引いたこともあり単勝オッズは1.7倍と、圧倒的な支持を集めていた。無敗の二冠へ視界良好。15時40分、運命のゲートが開いた。
横山武騎手が軽く促して内の3番手を確保。1000m通過は60.3と平均ペースとなったが、乾いた馬場では流れが遅いとみて
サトノレイナスらが早めに進出していった。
エフフォーリアは位置を下げて7、8番手。だが、慌てることなく、内ラチ沿いを確かな手応えで運んでいく。
4角では8、9番手まで後退していたが、直線入り口では馬群がバラけて、スムーズに進路を確保することができた。横山武騎手のアクションに応えて一気に加速。残る300mで先頭に立ったが、後続から虎視眈々と機をうかがっていたのが
シャフリヤールだ。内に切れ込みながら一気に差を詰め、残り100mからは2頭2名の追い比べ。馬体を併せ、アタマが並び、ハナ面がぴったり並んだところがゴールだった。
2分22秒5。当時のダービーレコードで駆け抜けた両者の結果は写真判定に持ち越された。結果は
シャフリヤールに軍配。福永騎手にとっては史上3人目の連覇となり歴史に名を刻むことになったが、一方で横山武騎手は“10cm”ともいわれる僅かな差で肩を落とした。
だが、それから2年。今年はじめに
ソールオリエンスとの出会いが待っていた。
京成杯は4角で大きく膨らんだが、終わってみれば2馬身半差の完勝。続く
皐月賞では4角最後方から全馬ごぼう抜きという常識外れの内容で一冠目を制した。前走の直線は見ていて実に鮮やか。同馬が持つ“規格外の末脚”を借り、2年前の雪辱を果たしにいく。