前人未到の大記録に挑む。武豊はＪＲＡ・Ｇ１全２２競走のうち、実に２１競走を制覇。唯一、タイトルを手にしていないのが朝日杯ＦＳだ。「意外と縁がないよね、このレース」と本人も首をかしげる。これまでは９４年スキーキャプテンなど３度ある２着が最高。今年はアクティブミノルとのコンビで挑む。

　２週連続で調教に騎乗し「状態はいいと思う。スピード馬って感じがするね」と感触は確認済みだ。今年から舞台は中山から阪神に変更。函館２歳Ｓを逃げ切った快速馬だけに「（直線の短い）中山でやってほしかった」と思わず苦笑いする。

　だが、レース前から白旗を揚げるつもりはない。「あと１個、決めたいね」と虎視たんたん。偉業達成に向け、名手は静かに闘志を燃やしていた。

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