マイケル・ジョン・デイ調教師は実在しない馬に対する預託料2万5000豪ドル(1万2500ポンド=約210万円)以上を支払わせた、詐欺による不正取得の罪で刑務所に収監されようとしている。
デイ師は、馬主が所有するジャグワンという牝馬の産駒が、師のもとで生産、調教されていると信じた馬主に、6年間にわたって預託料を支払わせていた。ところが、この馬は存在していなかった。
デイ師は馬主に対し、ミリヤンと名付けられた仔馬が誕生したと、2009年1月7日に伝え、2012年10月1日から2015年1月13日まで、毎月預託料を受け取っていた。彼は馬主が所有馬を見に訪れるたびに別の馬をミリヤンになりすませていた。
ミリヤンの出走の可能性のついて尋ねられると、デイ師は馬が病気や故障などのなんらかの症状があると主張していた。
その後デイ師はミリヤンを獣医診療車でキルモアに運んだと主張したため、馬主が施設に連絡を取ったところ、そういった名の馬は存在しないことを知らされた。
この疑惑に対し、馬主から連絡を受けたニューサウスウェールズ・ハーネスレーシングが調査を実施し、10年間の資格停止処分を課すに至った。
デイ師は2015年10月20日に逮捕される際、電子インタビューで容疑についてすべて認めた。彼は3月16日に判決が言い渡され、禁錮刑に直面していると伝えた。
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(RACING POST.com 2月5日)
【補足】
さらに詳しい内容はシドニー・モーニング・ヘラルドでどうぞ。
http://www.smh.com.au/sport/horseracing/goulburn-horse-trainer-convicted-of-fraud-over-a-horse-that-never-existed-20160205-gmmrgw.html
こちらを見ると、デイ調教師は1982年にG1を勝った、実績のある調教師のようです。
弁護側は「気弱で本当のこと(不受胎)が言えず犯罪に走った。競馬界を追放されるなど社会的制裁を受け、うつ病でもある」と情状酌量を主張。対する判事は「長年にわたって詐欺を繰り返していて、執行猶予なしの実刑に処すべき」と主張しています。
ハーネスレーシングはいわゆるトロット、繋駕競走とよばれる、人が乗った車を馬が挽くタイプのレースです。ハーネス用の競走馬は人工授精での繁殖が認められているようですね。
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- http://www.racingpost.com/news/horse-racing/australia-trainer-took-money-for-horse-that-did-not-exist/2028358/