(前略)
最近、ホンマよう聞かれるんや。「菜七子はいつごろ勝てそうですか?」って。俺もそれは分からんよ(笑い)。勝負の世界はそう甘いもんやないし、本人のプレッシャーも半端じゃないやろうけどな。
(中略)
“ジョッキー”藤田菜七子については「思ってたよりやるやん」ってのが率直な感想。重賞初挑戦となったスプリングSはまさにそんな感じやったね。まあ、ハナから勝負になりそうもないモウカッテルが騎乗馬やったから、9着って結果はしゃあない。大事なのは騎乗内容や。ロスなくコーナーを回っとったし、想像してた以上に立ち回りが上手やった。乗ってるときのバランスもええし、鞍つきもええ。特に驚かされたんは“焦ってない”ことや。
新人、特にまだ勝ち星を挙げていないジョッキーは「勝ちたい」って気持ちが強過ぎて、先走ってしまうもんなんやけど、彼女の場合、予想外に落ち着いとった。周りがよく見えとる。ジョッキー向きの性格というか、「ええもん持っとる」って思うわ。
とはいえ、やっぱり課題は多いわな。一番感じるんは、根本的に筋力が不足しとるで、馬を押し出すパワーに欠けとることや。「馬を追う」作業は、腕力や上体の力だけやなく、下半身が重要。腰から下を使って上下一体にならんとアカンのやけど、今の彼女はそれができていない。現時点で最も必要なんは、下半身の強化やろね。
そういやあ昨夏、来日しとったリサ・オールプレス(ニュージーランドの女性トップジョッキー)は追える騎手やな。菜七子自身も目標にしとるみたいやけど、ええ手本やと思うわ。
そして何より重要なんは、やっぱり「経験を積む」ってことやな。とにかく若いうちは数乗って場数を踏まなあかん。菜七子の場合、地方で乗るチャンスも多くもらっとる。これからも可能な限り、より多くのレースに乗るべきや。まあ、そのことは彼女だけやなく、すべての若手に言えることなんやけど。いずれにしても菜七子自身も精進してほしいわ。
(東スポWeb 3月23日)
【補足】
アンカツさんは過去にも「若手は数多く騎乗することが大切」と述べられていますね。
アンカツ 2016年競馬界へ大激言!
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