20日、参院農林水産委員会で、不況などの影響で競馬の馬券の売り上げが減少している現状に歯止めをかけるための競馬法改正案を可決した。21日の参院本会議で採決する。政府は、来年1月から施行するため今国会での成立を目指している。
改正案の主な内容は以下の通り。
【重勝式馬券の復活】
複数レースの勝ち馬を同時に当てることで最高200万倍の払戻金が出る可能性のある「重勝式」馬券が復活。かつて
JRAでは、午前中のレースを対象に「3重勝」が発売されていたが、配当金があまりに高額になることから射幸心をあおるものとされ、63年に発売が中止されていた。香港競馬では「一瞬で人生を変える馬券」と言われるトリプルトリオ(3連複3重勝)がある。
【
JRA・地方間の馬券の相互発売】
JRAと
地方競馬が連携し、どちらでも両方の馬券が購入できるよう、馬券の委託販売を認める。これによって、高知競馬のアイドル・
ハルウララの馬券も
JRAの発売所で買えるようになる。これまでも、
JRAと
地方競馬で、相互に馬券を購入することはできたが、一部の窓口に限られていた上、主催者側が職員を派遣して直接販売しなければならなかった。
【20歳以上で馬券購入可能】
年齢にかかわらず馬券購入が禁止されている学生について、20歳になったら購入できるようになる。
【払い戻し率の変更】
馬券の払戻率も、現在の一律75%を、馬券の種類ごとに上限80%とする。