昨年5月11日の大井競馬での落馬事故で、頸椎歯突起骨折の重傷を負った
内田博幸騎手(41)=美浦・フリー=が、いよいよ今週開幕の東京競馬で復帰する。土曜メーンの
白富士Sには
アドマイヤメジャー、日曜の
根岸Sでは
タイセイレジェンドに騎乗する予定。8カ月半ぶりにターフへ戻ってくる“ウチパク”が、リーディング奪回へ闘志を燃やしている。
12日から美浦トレセンでの調教を再開。初日は1頭限定で、キャンターで体を慣らした程度だったが、18日と19日は2頭ずつにケイコをつけた。特に18日には、Wコースで実戦さながらの併せ馬を行い、5F72秒9の時計を出した。しなやかなフォームは健在。「速いところをやると気持ちがいい。体がしっかり覚えているもんだね。うん、大丈夫。これなら問題ない」とウチパクは、騎乗の感覚が鈍っていなかったことを素直に喜んだ。一歩間違えれば、生死に関わる大けがだっただけに「焦りは禁物。まずは馬の能力を引き出す競馬をしたい」と慎重になる。それでも「目標のひとつはリーディング」と高い志は変わらない。
現在、日本の競馬はますます外国人騎手の草刈り場となりそうな気配。そんな状況を「若手の騎乗が減ってしまうし、ラフプレーはしてほしくないね」と憂慮する。だが一方で、海外の一流騎手の存在は、ウチパクの闘争心を刺激する。「日本にもすごい騎手がいるということを証明しないとね」。復帰初日から
サムライスピリット全開。府中の長い直線で、渾身のムチがうなりを上げる。
提供:デイリースポーツ