リーチザクラウンはアンライバルド、ブエナビスタ、スリーロールスらが出走し、のちに“伝説の新馬戦”と称されたレースで2着。2戦目で2着に2秒1の大差をつけて勝ち上がり、きさらぎ賞も制したことでクラシックの有力候補として注目を集めながらも…。皐月賞で13着大敗を喫し、続くダービーはロジユニヴァースの2着、1番人気に支持された菊花賞も5着敗戦。冒頭3頭が手にしたクラシックタイトル奪取はかなわなかった。翌年にマイラーズCで重賞2勝目を挙げたが、度重なる故障やノド鳴りにも悩まされ、最後までGIに手が届くことなくターフを去ることに…。
引退後は西山牧場の西山茂行オーナーの個人所有という形で、北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入り。その決定が種付けシーズン直前と決して恵まれた環境ではなかったが、種付け料がリーズナブルであったことや西山オーナーの尽力もあって、初年度から53頭の牝馬を集め、34頭の産駒が血統登録された。その後も50頭前後の牝馬を集めてきた経緯をアロースタッドを運営する株式会社ジェイエスの松田氏は「種牡馬展示会を行った後に、馬体の良さに生産界が反応。いい子供が出ていることも評判になって、数を伸ばしたんだと思います」と説明する。
さらに産駒がデビューすると、思いがけない事態が起こる。6月26日のニシノアップルパイの新馬(東京芝1800メートル)勝ちを皮切りに、わずか1か月ほどで5頭が勝ち上がる、まさに“リーチザクラウン旋風”。新種牡馬としてロケットスタートを切ったのだ。
これに素早い反応を見せたのが社台グループ。西山オーナーから所有権の2分の1を取得し、今秋から安平町の社台スタリオンステーションへ移籍することに。
この電撃移籍に関して社台SSの徳武氏は「秋になってデビューしてくる馬たちと対戦して、産駒の成績がどうなるかは可能性の問題となりますが、仕上がりが早く、馬っぷりのいい産駒を出しているのは間違いない。スペシャルウィークを後継する牡馬が待ち望まれてきたことも、また確かですから」。
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