待ちに待った始動戦に向けて、文句なしの最終リハだった。4冠馬
オルフェーヴルが、朝一番の栗東坂路を軽快なフットワークで走破。
ダノンウィスラー(4歳500万下)を射程に置くと、鞍上が軽く合図を送っただけで瞬時に加速。しまいをきっちりと伸ばして0秒3差の先着を果たした。
その躍動感は数字にもダイレクトに表れた。マークした4F50秒7-37秒4-12秒9はこの日の1番時計となり、自身の坂路ベストも更新した。またがった池添は「ビックリしました。並びかけに行く脚は速かったが、まさか51秒を切ってくるとは…」と目を丸くして好パフォーマンスをたたえると、見届けた池江師も「整いましたね。目標は先なのでガチガチにはやっていないけど、(今季)初戦としては十分に納得できる仕上がり。今の(大リーグ・レンジャーズの)ダル
ビッシュよりは仕上がっているんじゃないかな」と笑みを浮かべて上機嫌だ。
胸は高鳴るばかり。今春の目標として設定されたのは
天皇賞・春(4月29日・京都)だが、すでに池添の視線は秋の仏・
凱旋門賞(10月7日・ロンシャン)へと向けられている。「最近は
トライアルを含め、
凱旋門賞のDVDを穴があくほど見ていますよ」。夢がかなう瞬間は、もう手の届くところにまで迫ってきている。艱難(かんなん)辛苦をともに乗り越えてきた相棒と、世界最高峰の舞台に立つその日まで-。国内最強の座を誰にも譲るつもりはない。
提供:デイリースポーツ