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阪神芝はパワー型サンデーの差し比べ/土曜日(15日)の馬場傾向分析

  • 2012年09月15日(土) 18時45分
 netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、1日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。

【阪神芝】
 阪神芝は朝から晴、良馬場でレースが行われた。17日(月)まで、引き続きAコース使用となる。

 とは言っても、前日の局地的降雨の影響も少なからずあったと思われ、見た目の時計は速くても、内回りを中心かなり力の要るコンディションとなっていた。

 確かに開幕週も好時計が続いていたとはいえ、先週も1週目にしてはパワーやスタミナ面も兼備した血統や馬体の馬がよく来ていたように、時計ほど軽い馬場といった印象がなかったので、前日の雨の影響をより受けやすかったものと考えたい。

 内回りでの時計だが、10R瀬戸内海特別(500万・芝1400m)の勝ち時計1分20秒5は、先週土曜に行われた500万下よりも0.1秒速かっただけにも関わらず、大外から一気の伸び脚でシャイニーホークが1着。内の先行馬が軒並み潰れた中、唯一残ったノーブルジュエリーが2着。3着も大外からマックスドリームが追い上げて差し・追込み勢優勢の結果に。

 9R甲武特別(500万・芝2200m)に関しても、かなり厳しいペースになってしまい、大きくレース上がりを要して勝ち馬を除いて、差し・追込み勢が殺到する形。見た目の時計以上に、タフな馬場を印象付ける結果となっている。

 また、外回りに関しても先週同様に時計が速くても、引き続き差し脚の生きる馬場で、枠順や伸び所による有利不利もなく、非常にフラットに近い馬場状態と言えるだろう。

 血統面は内回り・外回りともに差しもよく届くことあって、サンデーサイレンス系が芝5鞍で全勝。2・3着回数でも、全体の2/3ほどを占めている。もちろんディープインパクト産駒の切れも十分に生きる馬場状態と見ていいが、その他の部分でいくとハーツクライリンカーンアドマイヤマックスダイワメジャーステイゴールドなど、タフな馬場を苦にせずスタミナ・パワーにも秀でた面々の活躍が目立っている。

 近畿地区の天気は、ローズSが行われる日曜まで良馬場を保てそうな感じだが、良馬場でも力の要る阪神コースらしい馬場と考えておいた方が良いだろう。なお、月曜は雨予報も出ているので、天候によってその都度対応の形でいきたい。

【阪神ダート】
 ダートも朝から終日良馬場で行われたが、先週同様に勝ち時計や上がりの数字は比較的速いレースが多く、良発表でも軽めの質の馬場と考えて良さそう。

 11RエニフS(OP・1400m)も、1分22秒8で直線外から差し切ったマルカフリートが1着。3R(3歳未勝利・1800m)で、初ダートのジョヴァンニが後続に大差を付け1分51秒7で大楽勝した際の2着馬スリータイタンも、1分53秒5で走れている。

 ただ、馬場が軽めと言っても道中中団待機から外々を回し、直線も外から伸びてくる差し馬も頻繁に来ており、この馬場質による枠順や展開の有利不利は殆ど見られない。良馬場で行われる限りは、非常にフラットな馬場コンディションと見たい。

 血統面に注目すると、土曜のダートはミスタープロスペクター系が全体的に強さを発揮。この開催も安定して好走しているサンデーサイレンス系を抑え、全6鞍中4勝2着2回、3着1回、母父部門でも、2勝2着2回3着2回と相性の良さが窺える結果となっている。

 明日も一時的な大雨などがない限りは同じようにフラットな馬場でやれそうなので、まずは能力比較・展開比較に加えて、血統や馬体の要素を盛り込んでいけば好結果に繋がりそうだ。また、月曜含めて天候不順の際には傾向が変わる可能性が高いので、その都度しっかりと見極めていきたい。

【中山芝】
 中山芝も朝から快晴で、終日良馬場でレースが行われた。17日(月)まで、引き続きBコース使用となる。

 先週の京成杯AHでも1分30秒7のレコードが出ているように、この秋は極めて時計の出る馬場状態になっている中山だが、3日目も変わらず内回り(2000m・1800m)・外回り(1200m・1600m・2200m)ともに非常に速いタイムでの決着が続いている。

 9R犬吠埼特別(500万・1600m)は、道中内目のインで待機していたダークマレインが直線一気に前を捕えて1分32秒2で1着。11RレインボーS(500万・2000m)も、4コーナーで早め先頭のマルカボルトが1分58秒3で押し切り勝ちとなった。

 このように、馬場状態が極めて良いので伸び所や枠順も偏りが出ており、土曜の内回りのレースでは上記のマルカボルトや、同じレース2着のケニアブラックのように内枠でラチ沿いから近い場所の内目をロスなく先行出来るタイプでないと勝負にならない馬場状態となっていた。外枠で道中外々を回らされる差し・追込み勢に関しては、例え上位人気の差し馬は終日苦戦が続いた。

 逆に、外回り(1200m・1600m)の場合は先週と全く同様に、基本的に内目有利に違いないものの、外枠でもスッと先行して内目を確保できる脚質の馬であれば、比較的好走可能な状態が続いている。

 今の中山芝について大まかに「内枠・先行有利」と言っても、内回り・外回りによってその程度には大きく差があるので、そのあたりは十分に認識しておいた方が賢明だろう。また、一括りに超高速馬場と言っても新潟や東京で頻繁に見られる極端な後半型の上がり勝負は少なく、ペースさえ流れれば、スタミナやパワーも問われる馬場状態なので、重ねて留意しておきたい。

 そのような馬場質からか、血統面からもキングヘイローバゴ、小回りコースを滅法得意とするロジズインメイ、ジャングルポケットなど、一定のパワーも兼備しているタイプとの相性も非常に良さそう。サンデー系の場合は、ネオユニヴァースアドマイヤマックスデュランダルといった馬力のあるタイプが、より通用しやすいイメージだ。

 中山芝は良馬場なら上記の傾向を意識しておけば良さそうだが、このあと日曜・月曜とまとまった雨予報も出ており、雨量によっては3日目までと大きく傾向が変わる可能性もある。当日の天候馬場状態には、くれぐれも注意を払っておくべきだろう。

【中山ダート】
 中山ダートは、終日パサパサの良馬場。

 後半戦は1200m戦中心で、10R浦安特別(1000万・1200m)も1分11秒3とまずまずの時計が出ているように、良馬場でもスピードが存分に生きる馬場状態。

 ただ、一転1800m以上の中長距離になれば一転して時計や上がりを大きく要するレースが続出しており、中山コースらしくスタミナの問われる馬場状態になっていたと考えたい。4R(3歳未勝利・1800m)も、平均より遅めの前半5F64秒2で進みながら、上がり5F64秒8を要し、最後は差し馬勢が上位に台頭している。

 また、8R(500万・2400m)も前半5Fで65秒1と相当なスローで進みながら、逃げたイルポスティーノ以外の先行馬は4着以下に沈んでいるので、やはり土曜は非常に重い馬場状態であったと見ていいだろう。

 また、土曜に関しては短距離・中良距離問わず、内枠(1〜3枠まで)に入った馬の好走例が極端に多く、その際の戦法もいわゆるインベタで一貫。スッと先行して内目を通って押し切るなり、道中中団待機の際には最内のインを通りつつ直線もそのままラチ沿いを縫って差し込んで来る形での好走パターンが殆どのレースで見られた。

 そうは言っても、必ずしも最内を通らなければ勝負にならないという馬場状態ではなく、上述のように直線外からも差しも届いてるので、土曜に非常に好調だった内枠はアドバンテージ程度に考慮しておけばいいだろう。

 ただし、日曜・月曜と雨予報が出ているので、湿った馬場で内枠の効力が一段高まる可能性は否定できない。芝と同様に、当日の天候馬場状態には、くれぐれも注意を払っておきたいところだ。

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