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中山芝は、またも内・先行馬有利が復活/土曜日(29日)の馬場傾向分析

  • 2012年09月29日(土) 20時30分
 netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、29日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。

【阪神芝】

 阪神は朝から曇で、芝は終日良馬場で行われた。今週も引き続きBコース(Aコースから直線部3m、曲線部4m外へ)使用。

 仮柵移動となった先週は、内回りで内目を回った差し馬勢にやや分があった形だったが、8日目も同様に内目有利ながら緩い流れが目立ったことで、先行各馬が一転して優勢に。とはいえ、人気・実力ともに比較的上位の馬が前目でゆったり運んだパターンが中心で、展開的にもなるべくしてそうなった、という印象も拭えない。時計は少し雨の影響を受けていた先週に比べると速くなっており、スローな流れで上がりも必然的に速くなっていた。

 10R芦屋川特別(1000万・芝1200m)は、内目の流れに乗って5番手追走の17番ビキニブロンドが勝ちタイム1分8秒3、後半3F33秒6で上がって1着。2着ハノハノもほぼ同じ位置から。3着は前半34秒1の楽な展開に持ち込んだミヤジエムジェイが入っている。

 外回りも同様に、馬場の乾きによる高速化と同時に力上位の馬による前残りが目立ち、3R2歳未勝利(1600m)ではディアマイベイビーが1分33秒9で逃げ切り。上がり3F34秒4で押し切っている。最後の12Rになり、ようやくそれなりにペースが締まったことで追込みの決着となったことからも、8日目の前残りは全体時計の高速化とペースが一致しなかったことが主な要因と見たい。

 血統面だが、土曜に関してはこれといった傾向は掴みづらい一日。馬体面も含めて強いて挙げるなら、下尻で腰が垂れているようなタイプは厳しく、腰高くらいなタイプの方が良かった。その傾向に当て嵌るのが、外回りで2着2回、3着1回と好走目立ったアグネスタキオンや、同じく外回りで2勝したアドマイヤムーンの産駒にはなる。

 明日は台風接近により天候不順と馬場悪化が同時に予測されるので、土曜の傾向はあまり鵜呑みにせず、当日改めて見定めていった方が無難だろう。

【阪神ダート】

 ダートも朝から終日良馬場。この中間は殆ど降雨もなかったが、時計に関してはやや速いといった程度。伸び所や脚質・枠順も含めては、極めてフラットな馬場状態だった。

 なお、11RシリウスS(G3・2000m)は、中団からレースを運んだナイスミーチューが2分3秒3で差し切って優勝している。

 1400m戦を中心に前が流れて最後上がりを要したところで差し・追込み勢がよく届いており、7R(500万・1400m)と9Rヤマボウシ賞(500万)は、いずれも追込み馬が最後にまとめて前を捕えて1着としている。

 8日目はシリウスS含めて、差し脚あるタイプのキングカメハメハ産駒が3勝の活躍。他のミスプロ系も合わせると、ダート6鞍で半数の9頭が上位に絡んでいる。また、クロフネなどデピュティミニスター系とも相性が良かったようで、3着内に3頭、母父も2頭が同系だった。

 馬体的に見ると、通常ダート良馬場では筋肉の質が硬いタイプが良しとされるが、8日目に関しては逆で、筋肉の質が柔らかいタイプ(キングカメハメハ産駒の差しタイプなどに多い)が有利になっていた。

 明日の関西地区はかなりの確率で荒天予報ということで、最終日の馬場傾向は土曜を鵜呑みにせず朝から改めて探っていく形になるだろう。

【中山芝】

 中山の芝も、朝から終日良馬場。引き続きCコース(Bコースから3m外へ)を使用。

 先週は仮柵移動と道悪で差しも良く届いていた中山だが、雨降ってこの中間で地固まった影響か、全体時計・上がり共に先週土曜あたりに比べても幾分高速化の傾向が見られた。

 また、脚質面は一日を通じて前へ行く馬ばかりが好走し続け、内回り・外回りともに1、2週目に見られたような、内をソツなく回って先行するタイプに好走が偏っていた。枠順に関しては、外枠の場合はスンナリ先行していないと苦しく、外々を回った差し馬は9R習志野特別(1000万・2000m)を除いてほぼ壊滅と言える状態。

 メインの11R秋風S(1600万・1600m)は、それに輪をかけるように超スローペースになり、前半1000m通過60秒3と極端なスロー単騎逃げに持ち込んだサトノタイガーが1分34秒5で楽々と逃げ切り。2着スピードリッパーも内の2番手につけた形。3着ダイワマッジョーレはラチ沿い5番手とお誂え向きの位置取りながら、差が詰まらず3着止まりという結果となった。

 中山芝に関しても阪神同様に、雨乾きの馬場で全体時計の高速化とペースが一致しなかった事もあるだろうが、8R(500万・1600m)のように前半5F57秒8で淀みなく流れたレースであっても前残りという状態を見ても、一週前6日目のBコース良馬場時と比べると明らかに先行が優勢になっていたのは間違いないところ。

 血統面はそれなりに上がりの速い馬場で上位人気馬を中心にサンデー系の好走も目立っているが、トリッキーなコースだけに直線だけの切れ味勝負にはなりにくいので、前々で運べるパワー(スタミナ)タイプのミスプロ系や、トニービン系、デピュティミニスター系、サドラーズウェルズ系などが人気以上の好走を果たすケースが目立っている。

 明日雨の影響を受けないようなら、基本的には内目を通るパワータイプの先行馬優利見て良さそう。ただし、開催自体は最終日なので油断せず当日の馬場をしっかり確かめておいた方がやはり賢明ではある。もしまともに雨が降っているような場合は、改めて有利な枠順・脚質などの傾向を洗い直した方がいいだろう。

【中山ダート】

 中山ダートは終日良馬場で行われたものの、先週末と中間の雨の影響がまだ残っており、先週土日に引き続き内目を通る先行馬が優勢で、外を回った馬には非常に分が悪い軽い馬場質となっていた。

 枠順に関しても、8日目1800m・1200mを問わず、内枠が非常に有利になっている。

 このように、中山にしては軽い質の馬場状態が続いていることもあって、時計も速め。7R(500万・1800m)も、逃げたサミットストーンが前半5F62秒3・後半5F63秒1と起伏の少ないラップに持ち込んで1分52秒9で圧勝。2、3着も先行傾れ込みの馬が占め、内・先行馬圧倒的有利を反映する形になっている。

 秋開催最終日の明日も余程馬場が乾き切らない限りはこの傾向が続きそうで、内枠と前有利を意識しての馬券作戦が望ましいだろう。また、先週日曜同様に極端な道悪になった場合であっても、この傾向は変わらないと見る。

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