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全国最高齢の調教師引退 金沢の藤木さん

  • 2016年12月30日(金) 06時27分
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北國新聞
「全国最高齢の調教師引退 84歳、金沢競馬の藤木さん」


67年の長きにわたって競走馬の育成に携わり、全国最高齢の調教師だった金沢競馬の藤木一男さん(84)=金沢市新神田1丁目=が27日、引退した。近年は伝統レース「北國王冠」を2連覇したナムラダイキチを育てるなど通算1260勝を数える。「体は元気だけれど、年も年だし一区切り付けたかった。長いようで短かったよ」と笑う地方競馬の伯楽が、静かに競技人生の幕を下ろした。


1932(昭和7)年、藤木さんは京都市で生まれた。当時は外を出歩けば農耕馬を見かけた時代で、地元の祭りなどで乗馬の機会もあった。

そうした環境で育ち、馬に引かれていった藤木さんは17歳の時、京都府長岡町(現長岡京市)で開催されていた長岡競馬所属の調教師に弟子入りする。現在のように調教師や騎手、厩務員の線引きがない中で、調教や騎乗の技術を徹底的にたたき込まれた。

57(昭和32)年に同競馬場が廃止となったことをきっかけに、金沢競馬に転籍、28歳ごろに独立して藤木厩舎を構え、競走馬の管理を始めた。

金沢競馬では、1厩舎ごとに馬主から24頭まで競走馬を預かることができるが、藤木さんは一貫して半分の12頭までしか預からなかった。自らの目で見いだした馬を、馬主に紹介して購入してもらい、調教を引き受けた。管理が行き届く少数精鋭の部隊を作り上げる独自の手法で、勝ち星を重ねた。

第1回白山大賞典を制したスメラギウィン、24連勝を記録したトモエゴゼン。手塩に掛けた馬が活躍し、藤木さん自身も年間勝利数1位の調教師に与えられる「リーディングトレーナー」を獲得した。

ここ数年で育成した競走馬の中でピカイチだったのが79歳の時に預かったナムラダイキチである。北國王冠2連覇やMRO金賞など重賞13勝を挙げ、通算42戦28勝、2012年度の年度代表馬となった。

80歳を超えた藤木さんは、活躍する同馬を見ながら「この馬を育てたら終わりかな」と、自身の幕引きを決断した。今年9月に同馬が引退したのに合わせるようにして、身を引いた。

現在は6頭の管理馬を他の厩舎に移す手続きを終えるまで、世話を続けている。藤木さんは「いっぱい重賞も勝てたし悔いはない。引退はするけれど、これからもずっと馬を見ていたいね」と目を細めた。
ネタ元のURL
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/HT20161230401.htm

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